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移住後の年収はどう変わるのか?|調査結果からうかがえる事情とは

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移住後の年収はどう変わるのか?|調査結果からうかがえる事情とは | 移住生活

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移住は人生を大きく変える一大イベントです。

経済的な事情が足かせとなり、二の足を踏んでいる人は多いかもしれません

結論からお伝えすると、移住後の年収は人それぞれ。上がるケースもあれば下がるパターンもあり、どちらとも言い切れません。その背景には、移住後の働き方が大きく関わっているのです。

この記事では、移住と年収の相関関係について解説します。移住してみたいと思っていても実行できない人は、最後までご覧ください。漠然とした不安を解消できるはずです。

移住前後の年収の変化

冒頭でもお伝えしたように、移住と年収の増減に明確な因果関係はありません。しかし一般的な傾向として、地方へ行くほど収入は下がるといえます。

ここでは、その背景について説明しましょう。

結論としては下がる傾向にある

転職を前提とした移住では、確実に年収が下がります。

そもそも最低賃金が違うため、同じ仕事でも首都圏と地方では収入に差額が生じるのです。

参考までに、令和4年度に公表された「地域別最低賃金の全国一覧」を紹介しましょう。

都会と地方の違いがわかりやすいよう、東京都や神奈川県などを基準に再編したデータを掲載します。なお右側のカッコ内の数字は、令和3年度のデータです。

都道府県名 最低賃金時間額(円)
東京都 1072
神奈川県 1071
大阪府 1023
青森 853
岩手 854
鳥取 854
高知 853
(出典:厚生労働省「令和4年度地域別最低賃金改定状況」)

首都圏と地方の数字をご覧いただくと一目瞭然ですが、最低賃金には開きがあります。

そもそもベースとなる賃金水準が違うなら、年収が下がるのは当然でしょう。

さらに付け加えると、福利厚生の充実度も異なります交通費や休日手当などがない職場も珍しくありません。

移住と年収の相関関係

先ほど「移住+転職」のパターンでは年収が下がると述べました。ではその逆のケースではどうでしょうか。

移住経験者によると、職場を変えずに移住したほうが収入は安定するとのことでした。

現在の会社に在籍したまま地方に引っ越し、リモートワークで仕事を続ける。もしくは二拠点生活を実行する。これらが理想的な働き方ですね。

あるいは個人事業主になり、スキルを活かして生計を立てる人も少なくないようです。最初のうちは収入が下がるかもしれませんが、経験を積むにしたがい徐々に売上が増えると期待できます。

田舎では貴重な職種(Web関係の仕事など)だと需要が多いため、雇われて働くより効率よく稼げるのではないでしょうか。

まとめると「移住+転職しない」パターンを前提に考えることを推奨します。

出社が必須ではない場合、インターネットさえあればどこでも仕事はできるでしょう。定期的に出社する必要があるとしても、月に数回程度ならそれほど負担にはなりません。

目指すべきは「転職なき移住」

移住と年収の関係がつかめたところで、理想の移住スタイルについて解説します。前項の内容を踏まえると「転職なき移住」が好ましいといえるでしょう。

以下では、地方の就業事情や移住者のデータを参考に詳細へと迫っていきます。

地方にも仕事はあるが・・・

一般的には「地方=仕事がない」というイメージが定着しているかもしれません。

この表現には語弊があり、求人自体は存在するのです。地方で生活している住人がいる以上、まったく仕事がないとは考えにくいでしょう。

ただし、大都市圏と比べて基本給が下がるのは明らかです。地方で就職する場合、一次産業の仕事が多い傾向にあります。

農林水産業に従事する人の割合が高く、その次にサービス業や医療・福祉職などが続きます。

上記以外の職種、たとえば事務職を希望する場合は狭き門を突破しなければなりません。地方では事務の求人が少なく、中途採用だとさらにハードルが上がるでしょう。

つまり地方で転職しようとすると、選択肢が狭まることを覚悟せざるを得ないのです。

移住者の50%以上は転職していない

パーソル総合研究所の調査結果によると、移住者の53.4%は転職せずに移住しています。

そのうちの約60%は、収入面での変化がなかったと回答しました。

(出典:パーソル総合研究所「地方移住に関する実態調査」(Phase1)

多様な働き方が浸透する以前は、移住と転職はセットだと考える人が大半でした。

しかし社会情勢の変化により、従来の常識が書き換えられたのです。

リモートワークが当たり前になった昨今では、会社員でも在宅で仕事ができるようになりました。チャットツールやZOOMなどが普及したおかげで、出勤する頻度が減った人は多いでしょう。

つまり働き方改革が進んだおかげで、移住を後押しする流れが進んだといえます。

その証拠に、移住を検討する人の大半は在宅勤務や遠隔地での居住が可能な環境にあるのです。

とはいえ、すべての労働者が移住に積極的なわけではありません。51.3%の人は「不安があって決断できない」と回答しています。

移住は人生を左右する大きな決断ゆえ、慎重になるのは致し方ないでしょう。

移住者の年収調査から読み取れる実情

続いては移住者の年収に関する調査をもとに、地方の収入事情を分析します。移住者全体でみると増収した割合は高く、およそ60%の人が年収アップと答えました。

しかし年代別のデータを見ると、そうとは言い切れない側面があるようです。

20~30代の場合

若い世代に関しては、移住時の年収が増える傾向にあります。増収したと回答した20代の割合は25.8%、減収した人の割合は15.1%でした。

30代では22.2%が年収アップ、逆にダウンした人は18.1%とのことです。

(出典:Touch! PERSOL「“仕事がない” “年収が減る”は思い込み?調査から見えた地方移住の実態」

働き盛りの年代ということもあり、若年層は比較的稼ぎやすいと考えられます。

職種や家族構成などによって年収に差があるため、これらの数字を鵜呑みにすべきではありません。しかし20%以上の人が増収している点は、注目に値するポイントです。

移住直後に収入が減ったとしても、スキルを積んで稼げるようになる可能性は残されているのです。田舎にはない仕事ができる人材になると、確実に重宝されるでしょう。

最近は副業の人口が増えており、移住する前に取り組んでおくといいかもしれません。
SNSやYouTubeで情報を発信したり、ブログで記事を書いたりと、やり方はさまざま。移住者の多くは、何かしらの形で自らの経験を発信しているようです。

副業が軌道に乗ってきたら、個人事業主になって本格的に稼ぐことを視野に入れてもいいですね。地方で起業する若者は少なくないため、機会があれば検討してみてください。

40代以降の場合

年代が上がると、若年層より移住後の年収が落ちる傾向が見られます。

40代では20.1%が増収、20.7%が減収と回答しました。

そして50代になると、減収した割合は増収を上回っています。プラスと答えたのは14.5%で、25.9%がマイナスに転じたとの結果が出ています。

ちなみに50代以降も、数字が違うだけで同様の内容でした。

(出典:Touch! PERSOL「“仕事がない” “年収が減る”は思い込み?調査から見えた地方移住の実態」

若年層と比べると、中高年層はそれなりに蓄えがあると推定されます。また役職が上がって手当がつきやすいため、基本給+αが期待できるでしょう。

したがって年収が減っても、20〜30代よりダメージは少ないかもしれません。

とはいえ、物価の上昇に伴う生活コスト増大は避けて通れないでしょう。さらに健康上の不安も増してくるため、金銭面での余裕が欲しいところですね。

減収を回避したい人は、本業のかたわら副業や投資に挑戦してみることを推奨します。

「年収が下がる=悪いこと」ではない

年収が下がると聞くと、誰しも不安な気持ちになるはずです。人間は本能的に損失を避けたい生き物であり、当然の心理でしょう。

ここでは、年収が下がってもあまり気にしなくていい3つの理由を紹介します。

移住後の金銭事情が足かせとなっている人は、ぜひ参考にしてください。

生活費は都会より下がる傾向にある

田舎暮らしを始めるとお金の使い方が一変します。別の言い方をするなら、財布からお金を出す機会が減るのです。

よく地方には娯楽が少ないと言われますが、まさにその通り。

遊びに行きたくても、ショッピングモールやアウトレットが遠くてめったに行けない。すると必然的に遊興費は減少するでしょう。

都会暮らしでは大きな割合を占める家賃や交際費なども、田舎だとあまりかかりません。

そもそも地価が安く、夜遅くまで開いているお店が少ないのです。

ただし田舎ならではの出費もあり、必ずしも生活コストが下がるとは限りません。

代表的なものとして、自家用車の維持費が挙げられるでしょう。ガソリン代や自動車保険料、そしてタイヤ代などは固定費用と考えて差し支えありません。

忘れてはならないのが、暖房費やDIYの道具代です。特に昨今は水道光熱費の高騰が家計を直撃しており、日々のやりくりに悩むご家庭が多いのではないでしょうか。

首都圏に暮らしているとDIYになじみがないかもしれませんが、田舎だと「ない物は自分で作る」という生活が当たり前。家の修繕にも使えるため、工具があると便利ですね。

都会にはない暮らしを満喫できる

田舎では「助け合いの精神」なくして生活が成り立ちません。

だからこそ地域住民の交流を大切にします。確かに面倒な側面はあるものの、よい部分もあるのです。

おすそ分けの文化は、その一例でしょう。実際に移住した人によると、近所の人が野菜・米・魚などを分けてくれるため、食料に困らないという意見もありました。

「こんなにもらって大丈夫?」と心配になるほど貰い物が多いこともあるようです。

人間関係が希薄な都会から地方へ引っ越すと、良くも悪くもカルチャーショックを受けるでしょう。しかし異文化に飛び込むくらいの気概がないと、田舎では暮らしていけません。裏を返せば、濃いご近所付き合いに抵抗がない人は移住に向いているといえます。

福井県池田町が公表した「池田暮らしの七か条」は物議を醸しましたが、移住の現実がよくわかる資料といっても過言ではないでしょう。

おすそ分けに限らず、田舎において人脈作りは非常に重要だと心得てください。

とにかく顔を覚えてもらい、地縁ネットワークを形成しておくと生活しやすくなります

お金で買えない幸せがある

地方移住を考える人の多くは、都会での生活に少なからず違和感を覚えているはずです。

仕事を選ばなければ職には困らず、確かに便利で生活しやすいでしょう。しかし時間を切り売りしている感覚を拭えないという意見も見受けられます。

【移住を希望する主な理由】

  • 満員電車で通勤する毎日にウンザリしている
  • 会社での煩わしい人間関係から離れたい
  • 好きなときに好きな場所で働きたい
  • 自然に囲まれた環境でのびのび子育てしたい
  • 趣味を満喫しながら生活したい

移住したいと考える背景には、このような不満や希望が存在します。

住環境を変えて万事解決するわけではないものの、現状を変えるには行動あるのみ。リモートワークで出勤時間をゼロにできたり、子どもと向き合う時間を増やせたりと、田舎での生活にはメリットがあります。

経済的自由と精神的自由の両立は難しいですが、地方移住がその一助になるかもしれません。

移住に関する不安を取り除く方法

ここまで移住に関するさまざまな話題をとりあげましたが、完全に不安を払拭するには至っていないかもしれません。

そこで以下では、対策方法と具体的に取るべき行動について解説します。

移住について調べてみる

移住に関心を持つ人が増えた結果、以前と比べて情報収集できる機会は増加しました。対面・非対面を問わず、移住相談窓口は数多く設置されています。

 ピタマチ

まだ移住候補地が決まっていない人でも、気軽に相談できます

「理想の暮らし診断」で移住したい場所を選び、自治体とのマッチングを待ちましょう。担当者からメッセージが届いたら、直接やり取りして疑問をぶつけてみてください。

とりあえず「暮らしの診断スタート」で移住先を探してみるところから始めてみてもいいですね。

 LOCAL MATCH

仕事・暮らし・生涯設計を軸に移住をサポートするプラットフォームです。

リサーチはもちろん、仕事探しも可能。

移住に関する相談をしたい人向けに、条件ごとに相談窓口を調べられます。

相談の形態や地域の特徴など、細かい条件を指定することもできますよ。

メッセージ機能を使って自治体の担当者とつながれば、効率よく情報収集できるでしょう。

 たびすむ

移住ワーケーションAI診断」で、相性のいい自治体を探せるプラットフォームです。

自治体とのマッチング機能がメインのため、これから移住先を探す人に最適でしょう。

移住に関するコラムが多数掲載されており、経験者の生の声を参考にできます。

 ふるさと回帰支援センター

東京の有楽町にある移住相談所です。対面とオンラインの他、電話での相談にも対応しています。予約が必要ですので、こちらからお申し込みください。

資料の閲覧のみが目的の場合は、予約なしで来所しても大丈夫です。

専門の相談員が常駐しているため、安心してご相談いただけますよ。

【公式サイトはこちら】
https://www.furusatokaiki.net/

仕事付きの移住スタイルを選択する

転職を前提にしている人は、どんな仕事があるかを軸に移住するといいかもしれません。

たとえば以下のような選択肢があります。

 事業を継承する

田舎に限らず、後継者不足で事業をたたむケースは珍しくありません。

また伝統産業の担い手も足りておらず、貴重な技術が失われる可能性もあるでしょう。

そこで地方の自治体では、事業の継承者となる移住者を呼び込む活動に力を入れています。

求人サイトには掲載されていない珍しい仕事もあるため、興味があれば挑戦してみる価値がありますよ。

最近では、民間企業でも同様のサービスを提供する動きが見られます。

たとえば「relay」という事業継承マッチングプラットフォームでは、事業を継ぎたい人・継いでもらいたい人を結びつけるサポートをしています。

類似のサイトが増えてきているため、事業継承のハードルは以前より低くなっていると言えるでしょう。

 住み込みの仕事を探す

田舎に多い一次産業(農業・林業・酪農など)では、住み込みの求人を募集している場合があります。

住まいと仕事がセットになっているため、住居費を抑えつつ移住したい人は検討してみるといいでしょう。一次産業に関心がある人にもおすすめです。

注意点としては、現地に行って暮らしを体験してから実行に移すべきでしょう。

いきなり生活と仕事が一変すると、環境の変化についていけないリスクがあります。

十分な下見と検証は必須だと心得てください。

 地域おこし協力隊に参加する

地域おこし協力隊とは、2009年に総務省が創設した制度です。仕事内容は自治体によって異なるため、募集要項を確認してください。

短期から長期まで、お好みの期間を選べるのがメリット。任期は最短だと2泊3日、最長では3年までと、かなりの幅があります。

地域おこし協力隊の最大の魅力は、報酬(最大280万円)と活動費(最大200万円)が支給される点です。単純に計算すると480万円が支払われますが、必ずしも全額支給されるわけではありません。

申し込む前に生活費を蓄えておき、現地で働きながら生活費をまかなうイメージですね。

【参考記事】

地域おこし協力隊とは?働き方や給料、メリット・デメリットについて現役地域おこし協力隊が解説します

移住後の年収は準備で決まる

にわかに注目が集まっている移住ですが、金銭面での不安が足かせとなっているケースは多々あります。お金の問題を危惧している人は、マネープランを作成してみてください。

移住を検討している人は、それぞれ置かれている環境が違います。

したがって必要な年収の金額も異なるため、まずは現在の収支を明らかにするところから始めるといいでしょう。

無駄な出費を洗い出し、移住後に必要な生活費をシミュレーションしておくと安心です。

もっとも大事なのは、移住のスタイルを定めること。

転職の有無が年収を大きく左右するため、それを基準にすると軸がぶれません。

この記事を参考に、理想の移住ライフを実現する一歩を踏み出しましょう。

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このメディアでは、納得の行く移住をサポートするために、移住者の声をヒアリングした結果を集約した、移住ノートを作成しました。

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読者の考えていることや、不安に思っていることが一体なんなのかを具体的にしていく「問い」を用意しています。あなたの気持ちを整理するため、理想のライフスタイルをスムーズに送るためにも「移住ノート」を活用してください。

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こちらの記事でも移住の流れを10ステップ紹介しているのでぜひ参考にしてください。

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