俵山と生きていく。山口県長門市へIターン移住された三ツ木 さん
目次
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「俵山へようこそ」明るい笑顔で出迎えてくれた三ツ木さん
19歳で俵山に移り住み、20歳の今、新たなステップを進み始めた彼女に、
移住の経緯やこれからの夢などお話を伺いました。
移住者プロフィール
三ツ木 あずきさん 20代
シェアハウス「灯炬庵(とうこあん)」管理人 北海道よりIターン
移住のきっかけ・当時の思いを教えてください
私がはじめて山口県を訪れたのは2020年9月でした。高校を卒業後、地方創生や経営学が学べる北海道の大学に進学しましたが、新型コロナウィルスの影響で、半年間一度も登校ができませんでした。
「もう一度、大学へ行く意味を見つめ直したい」「生きるとは何だろう」と思い、旅に出ました。その旅の最中、知人から声をかけられ立ち寄ったのが山口県長門市でした。当時は、「北海道の大自然や人柄に惹かれて移住したばかりだから、移住はしないかな」とあまり乗り気ではなく、軽い気持ちで参加しました。
しかし、そこで俵山温泉という土地、そこに住み、住民主体となってまちづくりに取り組む、地域経営会社SD-WORLD代表の藤永さん、地域内で害獣対策に取り組み、命の尊さを伝えるハンターの中野さんに出会います。真剣に俵山のことを想い、それぞれの形で俵山のフィールドを活かしているお二人の、俵山温泉への熱量と地域への愛情を感じたとき、鳥肌が立ちました。「私のやりたい地方創生はこれだ!」と思いました。
旅を終えて北海道に戻り、貴重な4年間をどう使うか考えた時、大学で学ぶよりも、俵山というフィールドで学ぶほうが、より濃密で学びの深い人生になると確信し、大学を辞めることを決意しました。
そこから俵山への移住が決まり、俵山というフィールドを生かした地域づくり、またシェアハウスの立ち上げに関わることになりました。
住まいはどのようにして探しましたか?
移住ツアーの主催をされていた方が、10年以上シェアハウス事業をしている方でした。
ツアーの中で見せていただいた空き家の中でシェアハウスにピッタリな物件があり、大家さんと地域の方とご縁をいただいたため、その物件を取得させていただきました。
2020年12月にシェアハウス「灯炬庵」がスタートし、2021年2月には全国から20名ほど仲間を呼び、家のセルフリノベーションを行いました。元々お寺の宿坊として使われていた普通の和室が、皆さんのおかげで琉球漆喰と木材に囲まれた素敵な空間になりました。
地域の受け入れ体制はどうでしたか?
移住前に一番心配していたことは、「どれだけ地域の方と仲良くなれるか」でした。
俵山温泉という場所は湯治場として栄えた歴史を持ち、外から来る人に対して、ウェルカムな雰囲気があります。しかし、コロナ禍での移住ということもあり、受け入れてもらえるのかと不安もありました。そんな心配とは裏腹に、地域の皆さんが「どこからきたの?よ~きたね~」と温かく迎えてくださいました。
引っ越して一か月ほどたった時に、数年に一度といわれる大雪に見舞われました。南国育ちの私には雪が降った時の対処などが分からず、水道管が凍結し破裂してしまいました。
丸一週間水道が使えず、困っていた時に助けてくれたのは、隣に住むおばあちゃんや、地域の方々でした。トイレを使わせてもらったり、ご飯や食材をお裾分けしてもらったり、水を汲ませてもらったり。不便なはずの一週間が、心温まるものとなり、地域の方々との繋がり・関係性をより深いものにしてくれました。
どんなお仕事をされていますか?
シェアハウスの管理人として、滞在者の受け入れを行っています。主な仕事は予約の受付や管理、県内の名所案内など多岐にわたります。
大切にしていることは、「暮らしを共にする」ということ。地域の方々への挨拶や礼儀、言葉遣いなど、滞在される皆さんにも心掛けていただくようお願いしています。
管理人業務の他に、空いた時間で旅館の清掃や、農業のお手伝い、市内の飲食店でのアルバイトなどもしています。大学を辞めて、手に職がない状態で俵山にやってきましたが、働く場所があり、地域に求められる仕事をして、喜んでもらえるのは、ありがたいことだと感じています。
また、個人事業主として、若者のキャリアサポートなども行っています。今年の秋には新たな事業を始めるため、その準備も並行して行っています。
移住して困ったことはありましたか?どのようにして乗り越えましたか?
移住当初は、3年ほど俵山に住みながら勉強し、ステップアップして次の地を探そうと思っていました。
しかし、地域の方々と仲良くなり始めると、ここに何十年もいる前提で話をされることが増え、それがすごく心苦しくて、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。何気ない一言に絶望し、夜の間にこっそり逃亡しようと思ったこともありました。一人なら逃げていたかもしれません。
そんな時俵山でお世話になっている方から、「自分がいなくなることを前提に俵山と関わっていたら、その程度のことしかできないよ。」と言われハッとしました。自分が10年後20年後ここで暮らしていくことを考えたことがありませんでした。今のまま中途半端な関わり方をしていては、地域の方や応援してくださっている方々へ失礼になる、と思いました。
1年数か月暮らしてみて、”私はやっぱり俵山のことが大好きだ!共に走ってくれる仲間もいる!”と感じました。そんな境遇にあったからこそ、今ある環境に心から感謝が湧き、”走れるところまで走り切ってみよう!”と腹をくくって俵山に住み続けることを前提に活動していこうと決めることができました。
移住して良かったと感じるとき
今年3月に俵山の広報誌に私たちの活動を掲載していただいたことが、とても嬉しかったです。広報誌を見た地域の方々から声をかけていただくことが増え、改修工事を行っている物件のオープンを楽しみにしてくださっているという声もよく聞きます(2022年夏オープン)。
一人ではじまったシェアハウス生活も、今では家族(仲間)が増え9人で暮らしています。人生の先輩として優しく、時に厳しく教えてくださる仲間がいるおかげで、一社会人として成長させていただいています。
また、山も海もある長門市は食がとても豊かです。特に俵山は山が近いため、春は山菜や梅、夏はヤマモモやアンズ、秋は栗や新米など、季節の食べ物を楽しむことができます。都会では味わうことのできない、贅沢な食卓を囲んだ時、移住してよかったと心から思います。
今後の取り組み・夢を教えてください
10代後半から20代前半の同世代に、いろんな生き方があることを伝えたいです。都会ではなく俵山のような田舎で暮らすこと、一人暮らしではなく仲間と暮らすこと、会社勤めだけでなく自分で事業を行うこと。
それらを今自分が暮らしている俵山というフィールドを通して、伝えていきたいと考えています。
それを伝えるための場として「甘味処」の開業準備を行っています。俵山の美味しいお米や農産物を使ったお団子を中心に、様々な和菓子を俵山の新名物として販売していく予定です。それを目当てに俵山に来てくれる人が増えると嬉しいし、地域の交流の場にしたいと思っています。
起業すること、地域で生きるということを伝えるためのモデルケースとして、足を運んでくれた人達が「自分にもできるかもしれない」「俵山でこんなことができるんだ」とワクワクドキドキしてくれたら、とっても嬉しいです。
地域の人たちも若い世代の力を求めてくれています。一人でできることは限られるけど、同じ思いの仲間が集まれば、もっともっとこの地域は面白くなっていきます!
移住を検討している方へのメッセージをお願いします
私は19歳の夏に大学を中退し、長門市に移住をしてきました。手に職を持っているわけでも、お金があるわけでも、元からたくさんの知り合いがいるわけでもありませんでした。
そんな私も、移住してから1年半とても楽しく、幸せに暮らしています。それは俵山という地域の方々はじめ、たくさんの方に仕事を紹介していただいたり、ご飯をお裾分けしていただいたり、遊びに誘っていただいたりとサポートしていただいているおかげです。
「移住」というと大きなハードルに感じるかもしれませんが、来てみてしまえば意外となんとでもなります。ぜひ長門市に、そして灯炬庵(シェアハウス)に遊びに来てください!お待ちしております!
長門市への移住に関するご相談窓口はこちら!
山口県のおすすめ情報
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実際に移住や2拠点生活をされている方のインタビュー記事を読むことで移住後のイメージが湧きますよ。
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