子育て中のママに聞きました!秘境・椎葉村の魅力は「人」と「自然」と「あえての不便さ」
目次
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2021年度、椎葉村は第6次長期総合計画づくりを行っています。この記事では、計画づくりの中で行った住民インタビューをもとに、一人ひとりの椎葉村への思いをまとめ、皆さんにお届けします。
「理想的な子育て」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
住環境は整っているか。近くに公園や託児所はあるか。地域の子育て制度は充実しているか。様々な要素が出てくると思いますが、その中で「自然豊かな環境」を重要視する方も多いのではないでしょうか。
日本三大秘境・椎葉村×子育て。そう聞くと、まず浮かぶのは「自然の中でのびのびと」というイメージですが、その他は……?
今回は、そんな椎葉のママたちの子育て事情を教えていただきに、「子育てサークルOhana(おはな)」に所属する3人のママたちにインタビューしてきました。
椎葉に嫁いだ人も、移住してきた人も、すべてのママが集える場所を
椎葉村には子育てママたちの集いの場があります。それが「子育てサークルOhana(おはな)」です。ママの中には椎葉にお嫁に来た方も多く、知り合いの少ない土地での子育ては、やっぱり心細いもの。そんな孤立を解消するべく、嫁いできた人も、移住してきた人も、もちろん椎葉で育った人も、椎葉に暮らすすべてのママたちが集い、ホッとできる場づくりをめざしてサークル活動に取り組んでいます。
Ohanaの在り方はいい感じにゆる~く、参加も不参加もその時々で自由。あくまでも「ちょっと立ち寄ってみようかな」と思ってもらえる場所。そんな、気負わない雰囲気です。
実際に、インタビューをさせていただいた日は折り紙をしながらトークの予定でしたが、結局しないままに終了(笑)。
こうしたゆるさがあるからこそ、他愛ない会話の中で、何を強いられることもなく自然にママたちが悩みを共有できる場所として機能しているのではないかと感じました。
椎葉村で子育てする良さ
3人のママさんに、「椎葉で子育てする良さってなんですか?」と尋ねると、真っ先に「人の温かさ」が挙がりました。
椎葉さん:「外でご飯を食べてる時、親戚でもないおばちゃんから、『抱いちょってやるから、ゆっくり食べない(抱いててあげるから、ゆっくり食べていいよ)』って言ってもらえたり、スーパーで、おじさんから子どもに『かわいいね』と声を掛けてもらったり。
いくら忙しくても、ふっと誰かが風を入れてくれるというか」こうした近所の人からの声掛けは、いまの日本では「おせっかい」と取られることも。
ママにとってはちょっと対応に困ったり、相手側も声を掛けづらいような雰囲気がありますよね。しかし実際は、そんな周囲からの小さな気遣いが、子育てするママの閉塞感や孤独感からふっと解き放ってくれている側面もあるのではないでしょうか。
こうした、子どもを地域全体で見守る空気感は、昔ながらの地域の関わりが深い椎葉村ならではと言えます。
何もないですけど
甲斐さん:「不便さっていうものを経験出来てるのはいいかなって。子ども時代に何でもかんでもできる、不便なことは何もないっていうよりかは、こうだったらいいのになっていうのを知ってるほうがいい」モノがあふれるこの国において、不足を知ることは、もはや財産ともいえます。
そのうちに皆スマホを持ち、世界中にアクセスすることができるようになる。そうなったときに、幼少期を椎葉で過ごし、目の前のこととじっくり向き合った時間は、間違いなく貴重な経験になるでしょう。また、不便な生活を知ることは、子どもだけでなく、親にもいい影響を与えるようです。
皆さんの日々の楽しみについて尋ねると、
椎葉さん:「当たり前のことが幸せ。やっぱり家族が当たり前にいて、旦那が当たり前に帰ってくる幸せを感じる。後は食べ物(笑)」何でもすぐに手に入るわけではないからこそ、いつも通りの日常を大切にできる。
こうした小さな幸せを感じられるということが実はどれだけありがたいか、特に近年、コロナ禍を通して多くの人が感じたことではないでしょうか。
椎葉のママの強い味方_椎葉村交流拠点施設「Katerie(かてりえ)」
そして、Ohanaの活動になくてはならないのが、椎葉村交流拠点施設「Katerie(かてりえ)」の存在です。Katerieは、椎葉村内外の人が交流することを目的とした場所で、図書館、交流ラウンジ、コワーキングスペース等、様々な設備が整っています。
上野さん:「今日初めて参加したんですけど、サークルもいいなーって。気軽に遊びに来られる場所として、家の中は結構限られちゃうんで、体動かしたり、見たことないおもちゃで遊ぶのは子どもたちは結構楽しそう。絵本もいっぱいあるし」
もちろん子どもには、同世代の子どもたちとのびのび遊んでほしい。Katerieでは、おもちゃを使って遊ぶのも、少々走り回るのも、図書館でおしゃべりしながら本を読むことだって自由。
椎葉の子育てママたちの心強い味方となっています。また、他のママと悩みを共有することで、育児の息抜きの場としても一役買っているようです。
椎葉村で子育てする大変さ
椎葉という山間地で子育てをする上で、大変な面についても聞いてみました。
椎葉さん:「椎葉には小児科がないでしょう。そこでまずプレッシャー」
上野さん:「主婦だから買い物はたくさんしたいし、お金の面も考えてる」
甲斐さん:「椎葉の暮らしの大変さを実感したのは、子育てを始めてからですね。多分わが身一人だったらあんまり感じなかったんじゃないかな」
やはり、病院と買い物がネックなようです。
椎葉村にも病院はありますが、小児科がないため、より専門的な治療を受ける場合は、村外まで出る必要があります。そのためママたちの多くは、かかりつけ医として村外の病院を利用していることも多いようです。
また、遅くまで開いているお店がなく、おむつや食材のストックに常に気を配らなければなりません。自分や夫婦だけであれば「明日でいっか」と我慢もできますが、子どもはそうはいかないところ。
こうしたプレッシャーは都市部以上に大きく、少し疲れてしまうことも。また、都市部と比較すると定価での商品が多く、村内で消耗品を買い込むとお財布を圧迫してしまうのも、ママにとっては悩みの種です。
ただ一つ言えることは、椎葉村民にとって2時間程度の車の運転は、日常の1コマだということ。週末の都市部への買い出しは、気分転換のドライブとも言えるほど、慣れればなんてことなくなるものです。
未来の君たちへ
ママさんたちに、未来の子どもたちへ向けて、メッセージをいただきました。
椎葉さん:「椎葉のいいところはいっぱい吸収してほしいなって思います。私が街で育ってて、高校時代に椎葉出身の子たちと初めて会ったとき、すごく優しかったし、明るかったし、分け隔てなく皆に親切で、それがすごくインパクトがあって。だから私の出会ったあの同級生みたいな、優しい椎葉の子になってほしい」
甲斐さん:「いざ高校になって外に出るときに、ここでしか学べないものっていっぱいあると思っているので、この地域だからこそ吸収できること、この地域だからこそ経験できること、この地域だからこそ感じられること、そういうのを体全部で吸収することは、子どもたちの人生にとって宝になると思っています」
上野さん:「自由にケガなく過ごしてくれればいいかなーって。あと椎葉の子って挨拶してくれる。都市部の子はあんまり挨拶してくれないし、したら危ないのかな、最近は。椎葉の子は、結構ワイワイと小さい子とも遊んでくれるから、こういう関係が続いてくれたらいいなと思います」
椎葉村で成長するうえで、進学、就職と村外に出るタイミングは必ずやってきます。椎葉の不便さの中では、確かに得づらいものも多いですが、幼少期に椎葉で培った経験は、決して無駄ではありません。むしろ大きな力となって、将来子どもたち自身を支えてくれると、熱いお言葉をいただきました。
まとめ
「世の中、本当に必要なものなんてそんなに無くて、椎葉にはその必要なものがそろってる」これは、椎葉に移住してきたあるママさんの言葉です。
秘境と呼ばれる椎葉村では、買い物や病院などの選択肢が限られているため、時には都市部に出向く必要があったり、生活に必要な部分で不便なことがあるのは事実です。
しかし、それを加味しても、ここで子育てすることを選んでいる人は多い。子どものために、そして子育てする親自身のために、どんなことを大切にしたいかという価値観は人それぞれ。
ですが、ここ椎葉村の「自然」と「人」と「不便さ」までもがもたらすものは、他では代えが利かない、とても大きなもののようです。
公的な機関ではなく、どこかの市町村に属しているわけでも無い
民間のサービスだからこそあなたの理想の暮らしの応援者として寄り添います。