田舎移住で失敗しないポイント｜家がもらえるなど住まいの支援制度も紹介

田舎に移住すると家がもらえる？

地方移住を考える際、「仕事」と並んで重要なのが「住まい」の問題です。実は、移住先の自治体によっては、一定の条件を満たせば住宅がもらえる制度があるのをご存知ですか？

例えば、茨城県境町では、20年間月々5万2千円の家賃を払い続ければ、新築一戸建てがもらえる制度があり、条件は入居時に世帯主が45歳以下で、中学生以下の子どもがいるか、妊娠中の人がいることです。

他にも、引っ越し費用や家賃、新築住宅取得やリフォーム費用の補助など、移住者向けの支援制度は各地にあります。

引っ越し費用の補助

地方移住の際、引っ越し費用を自治体が補助してくれる制度があります。
例えば、栃木県佐野市では、新居の住宅費用と引っ越し費用を合わせて、1世帯あたり最大30万円補助してくれます。

家賃の補助

例えば、福岡県八女市では、家賃負担額の1/2（上限1万円）を最長36カ月を補助する制度があり、北海道三笠市でも、家賃の1/2を補助し、単身者は3カ月6万円を上限に36カ月分、女性や若年世帯は3カ月9万円上限に60カ月分助成する制度があります。

新築住宅取得に関する補助

例えば石川県加賀市では、住宅取得費用の50％以内・上限50万円まで補助する制度があり、静岡県浜松市でも、新築取得費用や住宅設備費用などを対象経費の1/2以内、上限100万円まで支給します。

リフォーム費用の補助

移住者が空き家を購入・賃借する際、リフォーム費用の一部を助成する制度もあります。
例えば長崎県雲仙市では、空き家バンク登録物件のリフォーム費用の一部を、5年以上の定住を条件に助成しています。

自治体が運営する「空き家バンク」を利用するのもおすすめ

「空き家バンク」とは、地方自治体が運営し、空き家の情報を提供することで、空き家の購入や賃借を希望する移住者を募るサービスです。多くの物件は有料ですが、中にはゼロ円の物件もあります。

全国の住宅の約13.6％が空き家で、その数は850万戸近くにのぼります。
空き家バンクは、こうした空き家問題の解決と、移住促進を目的に全国各地で運営されています。

空き家バンクを通じて物件を探す際、自治体は不動産仲介業ではないので、所有者との交渉は直接行うことになります。
トラブル防止のため、宅建業者を通すこともありますが、その場合は仲介手数料がかかります。

また、移住先に知人や親類がいる場合は、その人脈を活用して空き家情報を得たり、所有者を紹介してもらうのも一つの方法です。

移住先の自治体が提供している制度は、内容が変更される場合もあるので、最新情報をこまめにチェックすることをおすすめします。

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田舎移住のメリット・デメリット

田舎移住のメリット

自然の恵みを享受できる

地方移住の大きな魅力は、豊かな自然の中で暮らせることです。山や海、田畑に囲まれた環境で、都会では味わえない穏やかな時間を過ごせます。朝に山登りに出かけたり、日がな一日釣りを楽しんだり。家の周りには田んぼや畑が広がり、小川のせせらぎや鳥のさえずりが聞こえてきます。四季折々の自然の変化を肌で感じながら、ストレスフリーな生活を送れるでしょう。

新鮮で美味しい食べ物が手に入る

移住先では、新鮮な野菜や魚介類、地元の特産品など、美味しい食材に恵まれます。畑で採れたての野菜を使った料理や、近くの漁港で水揚げされた魚介類を味わえます。旬の味覚を楽しみながら、健康的な食生活を送れるでしょう。また、地元の人たちとの交流を通じて、その土地ならではの料理を教わる機会もあるかもしれません。

家賃や土地代が安い

地方は都会に比べて家賃や土地代が安いため、広い家や庭付きの物件に住めます。東京の狭いワンルームマンションと同じ家賃で、地方なら一軒家に住めることもあります。また、土地の価格が安いため、マイホームの建築も現実的な選択肢になります。同じ予算でもゆとりある生活空間を確保できるのは大きなメリットです。

人間関係が深まる

都会では希薄になりがちな人間関係も、田舎では近所付き合いなどを通じて深まる機会が多くなります。地域の行事に参加したり、野菜の交換をしたりと、face to faceのコミュニケーションが増えます。子育ての面でも、地域全体で見守ってくれる安心感があります。

田舎移住のデメリット

都会の利便性が失われる

地方では、都会のような利便性は期待できません。電車やバスの本数が少なく、マイカーがないと不便な場合もあります。また、大型のショッピングセンターや専門店が少ないため、買い物に不便を感じるかもしれません。医療機関が少ないことも、特に高齢者にとっては不安材料です。

仕事探しが大変

地方では、都会ほど仕事の選択肢が多くありません。希望する業種の求人が少なかったり、給与水準が低かったりすることもあります。リモートワークができる環境であれば問題ありませんが、そうでない場合は仕事探しに苦労するかもしれません。

地域に溶け込む努力が必要

地方には昔ながらの習慣や文化があり、そこに溶け込むのは容易ではありません。地域の行事に参加したり、方言を覚えたりと、自分から歩み寄る努力が求められます。「郷に入っては郷に従え」の精神を持つことが大切です。

田舎移住でよくある失敗・成功のポイント

田舎移住で失敗する理由は、想像とのミスマッチが主な要因で、田舎移住のメリットだけ理解してい、デメリットを十分に理解していない場合が多いです。

また、田舎は場所によって環境が大きく異なるため、一概に「田舎」というくくりで情報を集めても、現地に行くと想像と違っていたというケースがあります。移住を検討する際は、現地に足を運び、その場所の雰囲気を肌で感じ、生の声を聞くことが重要です。

田舎移住で失敗しないためにするべきこと

自分の目的と合わせて移住先を選ぶ

移住先を選ぶ際は、まず自分の理想の生活を想像し、何を優先したいか考えることが大切です。
移住の理由は人それぞれ異なるため、自分の中での優先順位を明確にし、それに合わせて移住先を決めていくことが必要です。

二段階移住、二地域居住という選択肢も

二段階移住は、希望移住先の主要都市に試験的に移住し、その上で住まいを見つける方法です。
一方、二地域居住は、都市部と地方に生活拠点を二か所設け、平日は都市部、週末は田舎で生活するという方法です。まずはこういった気軽な移住から始めてみるのも良いでしょう。

事前に仕事を探しておく

田舎での勤務形態は、主に就職、起業、フリーランス、地域おこし協力隊の4つに大別されます。
移住希望先にどんな仕事があるのか、インターネットや職業相談所、自治体で情報収集することが大切です。また、場所にとらわれないフリーランスという働き方や、国から支援金が出る地域おこし協力隊という選択肢もあります。

行政の支援制度を活用する

地方自治体は独自の移住支援を行っています。
支援金や補助金を出すなど、様々な面からのサポートを受けられる場合がありますので、自分の移住希望先の行政がどのような支援制度を設けているか、事前に確認しておきましょう。

田舎への移住が失敗したと感じる主な理由

食事や通勤などライフスタイルの変化

田舎は都会と比べて公共交通機関や商業施設、飲食店などが少ないことが多いです。
外食や通勤、ショッピングを楽しみたいという方には、田舎の移住はおすすめできません。

人間関係の変化

田舎は近所付き合いが多く、閉鎖的な場所では馴染めないこともあります。
人付き合いが苦手な方は、プライベートに干渉されることが負担に感じる可能性がありますが、一方で近所との交流がプラスになることもあるので、何を優先するか考えましょう。

仕事が少ない

田舎は都会に比べ人口も少ないため、求人数も限られています。
希望する職種がない場合や、なかなか職が決まらないこともありますが、リモートワークの増加や、田舎ならではの職種もあるため、可能性を探ってみることが大切です。

生活環境の変化

田舎は気候や自然環境が都会と大きく異なる場合があります。
大雪や気温の変化、医療機関の少なさなどが課題となることもあるため、事前に生活環境を把握しておきましょう。

収入が減る

田舎では家賃や食材などが安い一方で、収入も減る傾向にあります。
また、車の維持費など田舎特有の出費もあるため、移住後の生活費についても想定しておく必要があります。

目的が明確でなかった

田舎の独自の文化や言葉の違いに疲れたり、孤独を感じたりすることもあります。
なぜ移住するのか、どんな暮らしを実現したいのかなど、具体的な目的を持っておくことが大切です。

おすすめの移住先

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自分にあった移住先の選び方

「なぜ移住するのか」をあらためて明確にする

移住を成功させるためには、「移住後にはこういった暮らしがしたい」と求めるものを明確にすることが大切です。
釣りや農業、子育てなど、自分や家族の理想のライフスタイルを叶える形を見つけましょう。

自分の移住の種類（Uターンなど）を知る

Uターン、Iターン、二地域居住など、移住の種類を理解しておくと、自治体の担当者への相談や補助制度の確認がスムーズになります。

おおまかなエリアから絞っていくのがコツ

温暖な気候や海沿いなど、自分の希望に合ったおおまかなエリアを日本地図で確認しながら絞り込んでいきましょう。

「田舎」か「地方都市」のどちらなのかをチェック

田畑に囲まれた完全な田舎と、ある程度栄えた地方都市では、メリットとデメリットが異なります。
自分が求める暮らしに合った場所を選びましょう。

助成金などの国・自治体による補助制度をチェック

移住先の候補が決まったら、各自治体の公式ホームページで移住補助制度や支援窓口を確認しましょう。
引っ越しや住居確保の支援、子どもの医療費補助など、自治体ごとにさまざまな制度があります。

移住先での収入面について検討しよう

地方では家賃や土地代が安い一方で、賃金が低かったり求人数が少なかったりすることもあります。
リモートワークの継続や起業、就農支援などの活用も含めて、事前に移住後の生業を決めておくことが大切です。

「移住体験記」を探してみるのもおすすめ

移住先の候補が絞れたら、その土地にすでに移住した方の体験記やインタビューを探してみましょう。
現地に住んでみて初めてわかることも多いため、貴重な情報源になります。

https://dual-life-iju.com/magazine/topic/interview/

短期移住→二地域居住→完全移住とステップを踏めると◎！

いよいよ移住に向けて本格的に動き出す際は、お試し移住プログラムへの参加や、二拠点生活の選択も検討しましょう。
ステップを踏むことで、心に余裕を持って理想の新生活の実現に向かえます。

田舎移住に向いている人・向かない人の特徴

田舎移住に向いている人

自然が好きで、アウトドアを楽しみたい人

休日はショッピングよりもスキーや山登り、釣りなどをしたいという方は、田舎移住がぴったりです。
都会と違って駐車場が安いため車を気軽に持つことができ、毎週末でも山や海へ遊びにいくことができます。自然の中で過ごす時間が多い田舎暮らしは、アウトドア好きにはたまらない環境といえるでしょう。

ゆとりのある生活を求める人

満員電車や人混みが少ないため、ゆとりをもった生活を送りたいという方にもおすすめです。
都会の喧騒から離れ、のんびりとした時間の流れを楽しめるのが田舎暮らしの魅力。時間に追われず、自分のペースで生活を送りたい人には最適な環境です。

コミュニケーションが得意な人

田舎暮らしは思いの外人付き合いが多くなることもあります。
近所付き合いや地域のイベントなど、人と関わる機会が増えるのが田舎ならでは。コミュニケーションが得意で、新しい人間関係を築くことを楽しめる人は、田舎移住に向いているといえるでしょう。

柔軟性のある人

移住先の土地には、独自の文化や慣習があるものです。そうした土地柄を受け入れ、適応していくには柔軟性が求められます。「郷に入っては郷に従え」の精神を持ち、新しい環境に順応できる人は、田舎移住を成功させやすいといえるでしょう。

趣味や特技を活かせる人

田舎暮らしでは、都会では難しかった趣味や特技を存分に活かせる場合があります。例えば、家庭菜園や農作業が好きな人は、広大な土地を活かして自給自足の生活を楽しめます。また、陶芸やDIYが得意な人は、田舎の自然の中で創作活動に没頭できるでしょう。自分の好きなことを仕事にできる可能性も広がります。

田舎移住に向いていない人

利便性を重視する人

田舎は商業施設や公共交通機関の数が都会と比べて圧倒的に少ないため、生活の面で不便を感じる面があります。例えば、最寄りのスーパーやコンビニまで車で30分かかるなんてことも珍しくありません。そういった不便さを受け入れられない人は、田舎移住は向いていないといえるでしょう。

人付き合いが苦手な人

都会と比べて思いの外に近所づきあいなどが多いのも田舎の特徴。地域の行事やお祭りにも参加することが求められます。また、噂話も広まりやすく、プライバシーを守るのが難しいことも。人と関わることが苦手だったり、周囲の目が気になってしまう人は、田舎暮らしに適応するのが大変かもしれません。

健康面に不安がある人

田舎は医療機関が少ないのが悩みの種。特に専門的な治療が受けられる病院は限られており、緊急時には大きな病院まで搬送される場合もあります。持病があったり、医療面で何らかの不安を抱えている人は、田舎移住には慎重になる必要があるでしょう。

子どもに塾や習い事などの教育を与えたい人

田舎の教育環境は、都会に比べると選択肢が少ないのが現状です。塾や習い事の数も限られており、多様な学びの機会を与えたい人にとっては物足りなく感じるかもしれません。子育てに熱心で、教育環境を重視する人は、都会の方が適しているといえるでしょう。

大企業でのキャリアアップを目指す人

田舎は仕事の選択肢が少なく、大企業の仕事に就くことは難しいのが実情です。都会のように多様な業種の中から自分に合った仕事を見つけることは、田舎では難しいかもしれません。出世欲が強かったり、キャリアアップを目指す人は、都会で働く方が有利といえるでしょう。

 

自分が田舎移住に向いているかどうかを検討するために、まずは移住でなく二拠点生活から始めてみるのもおすすめです。

週末だけ田舎で過ごすことで、徐々に田舎の生活に慣れていくことができて、都会との二重生活を続けながら、将来的な完全移住を目指すのも一つの方法です。