【首都圏エリア版】2023年版「住みたい田舎」ランキング

この記事を読んでいるあなたは、漠然と「地方で自然豊かな土地へ移住したい」といった気持ちを抱いているのではないでしょうか。
「働き方改革」という単語が、ある時期から注目を浴びるキーワードになって久しいですが、2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大により働き方はもちろんライフスタイルの変化を余儀なくされた方も多いことでしょう。
都市部から首都圏エリアで移住・二拠点生活する場合、どこの地域がおすすめなのでしょうか?
今回は月刊誌『田舎暮らしの本』(宝島社)が発表した、「2023年版第11回 住みたい田舎ベストランキング」の結果を参考に、それぞれの市町村を自治体の人口規模別に紹介していきます。
ちなみに、全国の総合ランキングはこちら
それではさっそく見ていきましょう!
首都圏エリア おすすめの田舎ベスト10
1位 いすみ市(千葉県)

千葉県南東部に位置しているいすみ市。山と海に囲まれたこの町は、2023年版「住みたい田舎ランキング」においても首都圏エリア総合1位を獲得。農業と漁業が盛んで、夏にはマリンスポーツを楽しむ方も多く訪れるいすみ市。サーフィンなど趣味を満喫したい方にはもってこいの場所といえるでしょう。
交通利便性も、市の中心部にある大原駅から東京駅までは特急で約70分と利便性もよく多拠点生活先としても良い立地です。
そうした“田舎暮らし”に適した条件を活かし、自治体全体で移住者を増やす取り組みが行われています。
いすみ市では、お試し移住体験を支援する制度があり市内での暮らしを体験したうえで、移住や2拠点生活先として検討を進めることをおすすめします。その他、市での起業や創業に対してのサポートが手厚く市内の空き家の活用や創業に必要な融資の利子を補助する制度などがあります。
2位 山北町(神奈川県)

神奈川県山北町は、山や川が近く緑が豊か。そのため町内では車が必須の環境です。町内にはJR東海御殿場線山北駅があり、駅周辺は自然があふれるのどかな住宅街で、昭和レトロな雰囲気が漂う街並みです。また、山北町役場をはじめ公民館などの公共施設、飲食店や地元のスーパー、個人商店、金融機関などがコンパクトに集まっていますが、大きな商業施設や娯楽施設は町内にはありません。
交通アクセスは、山北駅から主要な駅である、国府津駅まで約23分、小田原駅まで約30分。しかし、本数は1時間に1、2本と本数が少なく、都心部に出る場合は乗り換えが必要になります。
移住者支援として、やまきた定住相談センターがありオンラインでも相談を受け付けています。その他、空き家バンク、新築祝い金最大20万円、お試し住宅「ホタルの家」といった暮らしを体験できる施設もあります。
3位 小川町(埼玉県)

埼玉県小川町は埼玉県の中央部にある約3万人が暮らすまち。小川町では地酒や建具、和紙などの伝統産業に関連するスポットが多くあり、古くから続いている伝統的な歴史を体験できます。都会では体験できない歴史情緒を感じながら、静かな暮らしを送れるでしょう。
特に交通利便性が優れており、町内の小川駅から電車1本で池袋駅から約70分、東京駅から約100分で到着します。保育園も6園整備されており、待機児童は0となっております。さらに小児科のある医療機関は町内に6か所存在しており、子育て世帯も安心して暮らすことができる環境です。
住まいに関して、空き家改修補助制度があり、移住者向けに最大40万円の給付を受けられます。また、都心へのアクセスも良いため、都心部への通勤を行う方へ通勤者座席指定券購入費補助(1か月あたり最大7,500円)、結婚新生活支援事業補助金が最大60万円の補助金が受けられます。
4位 鴨川市(千葉県)

鴨川市は人口は3万2千人ほどで、南房総の温暖な気候と豊かな里山の景観が残っています。鴨川の棚田は都心から最も近い全国の棚田百選に選ばれています。鴨川市は移住者も多く、すでに移住者のコミュニティが形成されているので馴染みやすいかもしれません。
交通の利便性は、特急わかしお号通っており都内への移動も比較的便利です。東京は約2時間、新宿でも約2時間20分で移動可能です。車での移動もアクアラインで約2時間ほど。路線バスやコミュニティバスも運航しているため、県内、県外ともに移動しやすいです。
自然が豊かで、都市部とのアクセス性も兼ね備えながらも、水と緑に囲まれて生活したい方には良い環境でしょう。住まいに関して、住宅の取得費用を最大60万円を支援しています。市が空き家バンクも運営しているので、市内の良い空き家が見つかるかもしれません。
5位 加須市(埼玉県)

加須市は約11.2万人が暮らす”とかいなか”なまち。都心までのアクセスも良いですが、日本三大河川の利根川が市内をゆったりと流れており比較的自然も豊かなまちです。
交通利便性は、JR宇都宮線と東武鉄道が通っており、加須駅をはじめ栗橋駅や花崎駅新古河駅などがお主な駅です。電車では上野駅や浅草駅まで約70分でアクセスできる距離感にあり、車での移動も東北自動車道をはじめ国道が数本走っているため70分程度あれば都内まで出れる距離感です。
市内には「ビバモール」という複合型商業施設をはじめ「カインズモール」には蔦屋などの書店やスーパーも入っているので日常生活に便利です。市内での移動は車が無ければ不便でしょう。
住まいは、住宅リフォーム補助金が最大30万円ほか物件取得時の固定資産税優遇制度もあります。子育て面でも、中学校卒業までの医療費が無料であったり、お子さんの一時預かり支援、子どもの臨時預かりといった支援、(0歳~2歳)の保育所保育料が無料、かつ公立幼稚園が県内で一番多いため共働き世帯も安心して子育てできる環境です。
6位 多古町(千葉県)

多古町は、都心からは約70kmの距離にあり、車で約70分で都心へアクセスできます。町内の移動や買い物には自動車が必須ですが、都心のみならず成田空港も近いため国内外のあらゆる場所へアクセス可能な好立地です。
交通の利便性もありながら、昔ながらの田園風景と美しい里山を残す緑豊かな自然あふれる点が特徴。都心にも近く、のんびり田舎生活が楽しめる多古町はほど良い田舎加減が魅力です。
住まいに関しては、住宅の購入に奨励金が交付されたり、リフォームを行うと経費の一部が補助されます。また、農業が盛んなまちでもあるため、新たに農業に従事したい方へ1人あたり年間150万円を最長5年間給付しています。子育て世帯に対しても、奨学金返済免除制度や、病児保育事業。幼保一元化による子育て支援(待機児童はゼロ)、小中学校給食費助成、高校生までの医療費無償化など手厚い支援が盛りだくさんです。
7位 館山市(千葉県)

館山市は、約4.5万人が暮らしバスや電車を使って都心部まで不便なくアクセスできるため都内からの観光客も多く訪れます。館山駅から千葉駅まで行けば、総武線を介して東京方面へ、市内には路線バスがあり、そのほかにも高速バスを使えば千葉や東京、羽田空港、そして横浜に行けます。
館山駅周辺から郊外へ少し車を走らせると、そこには豊かな自然が残り、昔ながらの里山の風景あり、年間を通してさまざまな花が咲き誇ります。自然を堪能できるスポットがいくつかあり、代表的なものは「県立館山野鳥の森」、「平砂浦海岸」周辺で、海水浴場水質調査で最高ランクのAAランクに認定されるほど。
館山市は、市全体が移住者に協力的で館山市公式ホームページでは、移住の流れがわかりやすく記載されており、それぞれの段階で同市によるサポート体制が整っています。それぞれの移住スタイルに合わせて住まいを提案してくれるサービスもあるので、多拠点生活を考えている方も安心して住まい探しなどをできるでしょう。
住まいに関して、館山市への子育て世帯の移住者へ月額の家賃の2分の1(上限2万円)を1年間にわたって助成してくれる制度があります。
8位 君津市(千葉県)

君津市は、東京湾アクアラインにより東京駅まで約57分、横浜駅まで約50分、羽田空港まで30分と都心へのアクセスが良く、電車は東京や横浜に直通で行ける総務線快速が君津駅始発であり、ゆったり通勤・通学ができる環境で、都心へも通勤圏内という点が嬉しいですね。
君津市内には南房総の山々だけでなく、海にも一部面しており自然やレジャーを楽しめるスポットも豊富です。都市と地方の魅力をもっているため、自分らしい暮らしや生活が実現できるかもしれません。
そんな君津市には、中古住宅を購入した際に最大70万円、県外で働きながら市内に移住し、引き続き県外で勤務する方の引っ越し費用とテレワーク導入の費用について、最大10万円の補助があります。
ひとり親家庭の世帯には、家賃などへ充当できる住宅手当を支給していたりと、移住後に最もお金のかかる住まいに関する支援が手厚いです。
9位 南房総市(千葉県)

南房総市は、自然豊かな観光エリアでもあります。緑や紅葉で囲まれた渓谷や250ヘクタールを超える牧場など、自然が豊富な地域です。
交通利便性は、ハイウエイオアシス富楽里という道の駅から、東京駅まで約70分、横浜駅まで約80分、羽田空港約65分、千葉駅約75分でアクセスできる高速バスが運行しています。高速バスを利用する際は、道の駅の無料駐車場に車を停める方が多いです。車での移動も快適で、東京・横浜方面へは首都高速~アクアラインを経由し、千葉方面へは、京葉道路~館山自動車道~富津館山道路を経由し移動できます。
南房総市には移住を考えている方へ、「IJU Cafe」という無料のオンライン相談窓口が用意されています。また、中々1歩が踏み出せない方へ、移住体験会やトライアルデュアルライフといったお試し移住施設を無料で貸し出しています。その他、子育て支援制度や、医療費等も手厚く支援しています。
10位 栄町(千葉県)

栄町は、東京都心へ45km、成田国際空港へは10kmの位置にありどちらも車で気軽にアクセスできる距離感です。そんな町には、利根川や印旛沼、里山など自然豊か。あまり聞いたこともない方が多いかもしれませんが、国際観光モデル地区に指定されおり、町内には国の史跡に指定されている龍角寺古墳群・岩屋古墳などの歴史のあるまちです。
住まいに関して、町内に住宅を新築・購入した方へ最大30万円、リフォームに対しても最大10万円の補助金があります。移住する世帯でお子さんがいる場合は、お子さん1人につき10万円の「移住者子ども加算金」や新婚世帯にはアパート等の家賃・引越し費用を最大30万円補助してくれます。
地方の移住先を選ぶポイント

まずは仕事があるか
生きていくためにはお金が必要です。もちろん、自分で農業するなど工夫をすれば、都会に比べて固定費はかなり安くなるのでたくさんのお金を稼ぐ必要はありません。
しかし、学費や車の車検、自然災害などにより突発的な出費があります。
その地域でどういった仕事があるのか、その仕事は自分に合っているかという点は、最優先で調べましょう。
都市部の企業に勤めてリモートワークをされている方やフリーランスの方も、確実な安定収入といえるまでは最悪の場合を想定してリスクヘッジをする意味でも、移住先の仕事について調べておくことがベターです。
地域おこし協力隊に着任するというのも1つの手段です。
興味がある方やそもそも地域おこし協力隊について知らない方はこちらをチェック!
地方での仕事探しについてまとめ記事はこちらです!
子育てを安心してできる環境が整っているか

地域の治安や病院の数、共働きの場合は託児所などのチェックは言うまでもありませんが、地域や近隣の方々も積極的に子育てをサポートしてくれる地域の風土や環境があるかは大事です。その点、すでに移住者が多い地域は移住者同士のコミュニティがあるため、子育てに関する悩みや相談をしやすい環境ですよ。
経済的なサポートだけでなく子育てに関する心理的な悩みにも寄り添ってくれる自治体かという視点も忘れないようにしましょう。
また、人気の移住地は「待機児童が0」と謳っていることも多いでしょう。しかし、移住した土地に高校が無かったり、偏差値が低かったりとお子さんの教育環境が想像していたことと違うケースもしばしば。
幼児期以降の高校進学までを想定して移住地を選ぶことも心がけましょう。
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高齢になり運転ができなくなっても大丈夫か

年齢とともに車を運転することができなくなるタイミングが、その土地にずっと定住しているとおとずれるでしょう。
そんな状況になっても、生きていける環境があることはとても大事なことです。
例えば、最低限の移動手段を確保するために下記のようなこともチェックすると良いでしょう。
- 少し歩けば市バスが通るバス停まで行くことができる
- 乗合タクシーがある
そうは言っても、「遠い将来のことは分からない!」そんな声も聞こえてきそうですが、頭の片隅に置いておくことが重要だと感じます。
特に物件を購入する場合は、簡単に物件を引き払うこともできないケースがあります。引っ越しをしても、物件の維持費や固定資産税が余分にかかることもしばしば。
そのため、頭の片隅に置いておくことで、大事な選択を迫られた場合にしっかりご自身で考えることにつながるはずです。
移住の前にまずはお試し滞在から
地元に帰省するIターン移住ならまだしも、U・Jターンでの移住の場合は、ご自身が住んだこと無い、良く知らない地域であることが多いでしょう。
移住は豊かな自然環境といった目に見えるメリットもありますが、実際に住んでみないと分からないことが多いことも事実。暮らすように長期滞在することで、その土地が自分の理想のライフスタイルに合っているかを判断でき、失敗や後悔するリスクを減らすことができます。
「移住したい」「自然豊かな土地で暮らしたい」という気持ちがある方の多くは、具体的にどのように行動へ移せばよいか分からない方も。
こちらの記事では、移住するうえでのステップをまとめています。
ちなみに、各エリアごとのランキング記事はこちら!住みたいエリアに合わせてご参考ください