地方転職の最新事情｜Iターン・Uターンで“採用が多い業種”と、いま使える就職支援まとめ

     
都市圏から地方へキャリアを移すIターン・Uターンは、ここ数年で確実に“現実的な選択肢”になりました。
労働市場の需給や自治体の支援は数字でも裏づけが取れています。
この記事では、2025年時点のデータをもとに「採用が多い業種」「使える公的サポート」「実例」までギュッと整理しました。

まずは現在地 地方の雇用は“売り手市場”が続く

• 2025年7月の有効求人倍率（季節調整値）は全国1.22倍。求職者1人に対して1.22件の求人がある計算で、コロナ後の回復を維持しています。新規求人は「宿泊業・飲食サービス」「製造業」などで増加が目立ちます。
  

• 具体例として、宮崎県の2025年7月の有効求人倍率は1.22倍（原数値）と全国平均級。首都圏に比べ求人情報が見つけにくく感じても、倍率の面では十分に戦える環境です。

  ポイント：求人“総量”は都市部が多くても、地方は倍率が高め＝「採用されやすい」環境になりがち。
  

Iターン・Uターンで募集が多い（＝狙い目の）業種

下は公的データで倍率が高い、もしくは新規求人の増勢が強い分野です。地方での採用ニーズと相性が良い順に並べました。

１、建設・土木（技術／現場）

例：香川県の職業別常用有効求人倍率（2025年7月）で「建設躯体工事の職業」5.38倍。構造的な人手不足が続き、地方ほど採用確度が高い分野です。

２、介護・福祉

同じく香川県で「介護サービス」3.42倍。全国的に高水準で、資格取得支援とセット募集も多いです。

３、運輸・物流（ドライバー等）

「運搬の職業」3.73倍など、地方の暮らし・産業を支える基盤職種として需要が底堅いです。

４、製造（食品・機械・医薬など）

2025年の統計で新規求人が増勢。地域の主力工場・サプライチェーンの人材確保が続いています。

５、宿泊・観光・飲食

インバウンド回復の波を受け、新規求人が増加。観光県・観光市では通年採用が目立ちます。

６、情報通信・デジタル職（社内SE、Web、広報・マーケなど）

大都市の専任職ほどではないものの、地方企業のデジタル人材確保がテーマ化。求人動向のトレンドとしてチェック推奨です。

給与相場は？

• 地域差は確かにあります。厚労省の「賃金構造基本統計調査」やJILPTの概況でも都道府県・地域間の賃金格差が確認できます。移住候補地の水準を職種×地域で必ず確認しましょう。

• なお、日本全体の平均年収は460万円（2023年）。自分の希望年収がこの水準と比べてどの程度かを把握しておくと、条件交渉の目安になります。
  

いま使える就職・移住サポート

1) 国の代表制度「移住支援金」

• 東京都圏から対象地域へ移住して就業・起業する場合、単身60万円／世帯100万円が上限（子育て加算あり）。制度設計・対象求人は公式サイトを必ず確認。
  

2) 厚労省「地方就職支援コーナー」

• 有楽町（東京交通会館8F）にある「ハローワーク飯田橋 地方就職支援コーナー」では、UIJターンの職業相談・紹介が受けられます。

• 大阪（ハローワークプラザ難波）にも常設コーナーあり。農林漁業の就職支援窓口も併設されています。
  

3) 若者向け就活ポータル 「LO活」

• 自治体ごとの支援制度（交通費補助、奨学金返還支援、住宅助成 など）を横断検索できます。求人だけでなく、移動・住まいのコストも見える化を。
  

4) 相談とイベントのハブ 「ふるさと回帰支援センター」

• 2024年の移住相談件数は過去最多の6.17万件。有楽町のセンターで全国の自治体と一気に相談できます。まずは情報収集の“起点”に。
  

成功のコツ

1. 「地域×職種」の相場を先に確認

   県別の求人倍率／職業別倍率（建設・介護・物流は高倍率）→条件を柔軟に。
   

2. 情報ハブに寄る（有楽町 or 難波）

   ハローワーク地方就職支援コーナー＋ふるさと回帰支援センターで仕事と暮らしを同時に相談。

3. 支援金の要件チェックは早めに

   「移住支援金」は対象求人に就くこと等の条件あり。内定直前に慌てないよう公式で確認。
   

4. スキル棚卸しと“ローカル映え”の言語化

   地方企業は自走できる即戦力を好む傾向。都市部での経験を“地域の強み（製造・観光・農商工連携など）にどう効かせるか”を語れるように。

5. つながり作り

   ふるさと回帰のセミナーや、現地の業界団体・商工会イベントで顔を出す→声がかかる流れは今も強い。
   

まとめ

• 今の地方雇用は売り手市場。全国の求人倍率は1.22倍。建設・介護・物流・製造・観光が狙い目。
  

• 移住支援金（最大100万円／単身60万円）や、有楽町・難波の就職支援コーナー、LO活など支援の“入口”をフル活用。

• 実例：館林市のUIターン10万円、益子町の雇用支援など―自治体の制度は“探せば見つかる”。

最後に

Iターン・Uターンの転職は、情報戦×準備力で勝率が大きく変わります。
「どこで、どんな働き方をするか」を言語化し、“倍率の高い分野に寄せる”ד支援制度で初期コストを抑える”のが王道ルート。
まずは有楽町（または難波）に一度立ち寄って、仕事と暮らしを一気通貫で相談してみてください。次の一歩は、思っているより軽いはずです。