田舎暮らしの現実。知っておくべき厳しい事実と失敗談

 

読者の多くは、のんびり田舎でスローライフをしたいなど、理想の暮らしに思いを馳せているのではないでしょうか。
すでに、この記事にたどり着いたということは、慎重にリスクを考慮した上で、田舎暮らしを満喫しようという計画性のある方。

この記事では、田舎暮らしの憧れと現実のギャップについて解説し、リアルな現実や失敗エピソードを紹介します。

最後に、田舎暮らしを成功させるためのポイントをお伝えするので、現実的なことから目を逸らさないあなたなら、きっと素敵な移住生活が送れるはずです！

田舎暮らしはやめとけと言われる理由

田舎暮らしを始めようとパートナーや周りの方に相談すると「現実は厳しいからやめときなさい。」と言われた経験があるのではないでしょうか。

多くの理由は、都市部からいきなり辺境の田舎で生活をはじめた際の生活環境のギャップから来るものでしょう。辺境の地にも長年暮らす方がいるので、その生活が当たり前である方にとっては不便さや不満など無いのです。

しかし、都会での生活に慣れている人にとっては、田舎暮らしの日常生活の不便さや、娯楽やレジャーなど思い立っても楽しめる施設が限られているといった、選択肢の少なさをストレスに感じることがあります。

その点を念頭において、田舎暮らしを始めるにあたってのリスクや、不満を感じやすいポイントを5つまとめているので読み進めてください。

田舎暮らしのリアルな厳しい現実

不満を感じやすいポイント5つを紹介していきます。

厳しい現実①交通の不便さ

田舎では公共交通機関が少なく、バスや電車の本数も少なく不便であることが多いです。車を持っていない場合、生活が困難になることがあります。

厳しい現実②就職・転職の難しさ

田舎では雇用の機会が限られており、都市部と比較して職を見つけるのが難しいことがあります。また、都市部でのスキルや経験を活かせる仕事が少ないことも多いでしょう。

厳しい現実③生活インフラが整っていない

田舎ではショッピングや医療施設、学校などのインフラが限られていることがあります。お子さんの教育環境や水準といったことだけでなく、日常生活の買い物が不便でストレスを感じることがあります。

厳しい現実④孤立感や地域コミュニティへの適応

田舎では人口が少なく、友人や家族から離れて暮らすケースが多いでしょう。そのため、孤独や孤立感を感じることも。

また、田舎では地域コミュニティが密で、新しく移住した人がすぐに馴染むことが難しい場合もあります。コミュニケーションが苦手な人にとっては、その状況がストレスとなることもあります。

厳しい現実⑤農業や家屋の投資・維持管理コストの負担

田舎暮らしをはじめて、一念発起し農業を開始しようという方は、農業や家屋の初期投資や維持管理が課題となります。金銭的な面だけでなく、こうした一連の作業は毎日のように手間や負担となっていきます。本業と新しく始めた農業のバランスが崩れ、金銭的に苦労する可能性も。

これらの理由から、「田舎暮らしはやめとけ」と言われることがあります。

しかし、これらの課題を理解した上で準備や計画を行えば、田舎暮らしも充実したものになるでしょう。

田舎暮らし失敗談と失敗事例

田舎暮らしの夢は、一歩間違うと思いがけない落とし穴へと繋がることも。 多くの人々が都会の喧騒から逃れ、静かで豊かな自然の中での生活を夢見ますが、実際には想像以上の困難や予期せぬ課題が待っていることも。ここから、実例を紹介していきます。

失敗例①転居後の家族間トラブル

Aさんは都会から田舎に移住し、家族と一緒に暮らすことにしました。しかし、田舎暮らしのスローペースや限られた選択肢に慣れない家族がストレスを感じ家族間で意見が対立。

結局、お子さんと奥様は都会に戻ることを決断し、家族が一時的な別居という結果となりました。

参考記事：甘くみるな！私の地方移住が「失敗」だったと振り返ってみて思うこと

失敗例②地域コミュニティへで馴染めなかった

Bさんは田舎に移住し、地域コミュニティに参加しようと積極的に地元の寄り合いに参加しました。しかし、地元の人たちとの価値観の違いやコミュニケーションスタイルの違いから、馴染むことができず、孤立…。

最終的には、田舎での生活に寂しさを感じ、友人の多い元住んでいた都会に戻ることを決意しました。

失敗例③転職先が見つからない

Cさんは都会の仕事を辞め、田舎で新しい仕事を見つけ始めました。一旦、給料3か月分の貯金をして、いざ田舎へ。しかし、思ったより引っ越し費用や住宅の契約、家具等を揃えるのにお金がかかりました。

また、田舎では求人が限られており、Cさんのスキルや経験を活かせる仕事が見つからず焦るばかり。結局、Cさんは自分のキャリアを維持するために、都会に戻ることを選択しました。

失敗例④農業経営の失敗とその後

Dさんは田舎で農業を始めることに決め、都会から移住しました。しかし、農業に関する知識や経験が不足しており、収穫量が予想よりも少なく…。さらに、天候不順や病害虫の被害により、収入が大幅に減少。経営が立ち行かなくなり、初期投資として借入した設備や機材の返済をするために、農業を断念し再び都会で仕事を探すことになりました。

参考記事：【地方移住して農業】脱サラ農家が教える失敗しないための事前準備

これらの失敗談は、田舎暮らしのリスクや課題を十分に理解し、準備を行うことが大切ということがわかります。事前のリサーチや準備を怠らず、読み進めてください。

田舎暮らしを成功させるためのポイント

田舎暮らしの魅力は多岐にわたりますが、実際には都会とは違った課題も。 ここからは、その課題を乗り越え、自分の思い描いていた田舎暮らしを実現するためのポイントをお伝えします。

事前調査と準備

移住先の地域の生活環境、インフラ、就労状況、気候などを事前に調査し、自分や家族のニーズに合った場所を選ぶことが重要です。また、必要なスキルや知識を身につけ、新しい生活に対応できるように準備を行いましょう。

地域とのコミュニケーション

地域の人々と積極的にコミュニケーションを図り、地域の文化や習慣を理解することが大切です。また、地域のイベントや活動に参加することで、地域コミュニティに自然と馴染むことができます。

参考記事：地方移住後は寂しいのでは？単身移住で出会いやコミュニティを広げる方法を紹介

転職・起業に向けた計画性

移住にお金の問題はつきもの。

田舎暮らしでの就労や起業を検討する場合、事前にリサーチや計画を立てることが重要です。求人情報をチェックし、自分のスキルや経験を活かせる仕事があるか確認しましょう。起業を検討する場合は、地域のニーズを把握し、実現可能なビジネスプランを立てることが大切です。

移住前に、仕事を見つけておくと安心して移住を決断できます。

理想は、リモートで業務ができる職種や会社の雇用が決まること。安定した給与や保険などもあるので、リスクを最小限に抑えることができます。

地方には都会と比べて企業も少ないので、求人もぐっと少なくなります。その場合は、起業やご自身で生計を立てる手段を考え無ければならず、その土地の暮らしを楽しむことができないかも・・・。

参考記事：移住成功の秘訣は仕事探しにあり！地方で仕事の探し方や転職の方法など徹底解説

家族にきちんと相談し勝手に決めない

家族に良く相談せずに移住という重要な決定をしてしまうと、移住後にお互い不満がたまってしまいます。きちんと、お互いに理解と納得をしたうえで、移住を決めましょう。

パートナーも、ご自身で決めた実感があれば不便や不満なことがあっても乗り切れるでしょう。

光熱費が地方によっては倍以上になることも

特に、ガス代が地方によっては大きな差があります。理由は、インフラ面で都市ガスが普及しておらずプロパンガスを利用するケースが多い地域があるから。また、雪国で都市ガスが普及していない場合は、倍以上の費用がガス代だけでかかってくることもあります。

地域選び・物件選びの際は特に注意が必要です。

参考記事：地方移住のデメリット11選！先輩移住者の失敗事例から学び移住の現実を知ろう

お試し暮らし体験をしておく

そのまちで暮らすことを決めるうえで、お試しで移住体験をしておくことをおすすめします。その街のイメージや理想、世に出ている情報だけではなくて、自分の足で確かめて感じたことがすべてです。

できれば、1ヵ月滞在すること、そして、夏と冬と2つの季節を体験しておくと失敗が少ないです。

例えば、夏は海沿いで趣味ややりたいことができるけど、冬は寒すぎて風も強いし、車もサビるし、洗濯物も潮風で干せない！そして、冬は暇！

といったことや、

想像以上に雪が降って、寒すぎで暖房も全然効かない！雪かきしなければ、車でどこにもいけない！

みたいなことが起こる確率をぐっと減らせますよ。

参考記事：お試し移住（暮らし体験）は必須！注意点や種類や申請手続きについても解説

地方への移住の準備や心構え

ここまで、少し不安を煽るようなことも書いてしまいましたが、移住は魅力がいっぱいです。
最後に、筆者である私自身もさまざまな地域を訪れ移住をしてきた1人です。「あなたが今の暮らしを変えたい」と思っているなら背中を押したいと思うと同時に、下記のポイントは抑えておくと絶対に後悔が少ないですよ！

移住する目的を定める

そもそも移住したいと思った理由は何だったのでしょうか。それをしっかり明確にする必要があります。

人それぞれに事情があるはずです。納得いくまで考え抜いてください。

移住の軸が固まったら、次に「移住しなければできないことか」を検討しましょう。わざわざ引っ越さなくても、二拠点生活や週末移住で事足りるかもしれません。

はじめての地方移住。10のステップで失敗しない移住計画を！注意点や支援制度も解説。

田舎暮らしの現実を理解し、理想の暮らしを実現しよう

田舎暮らしにはリスクや課題が存在しますが、それでも魅力的な生活があなたを待っています。自然に囲まれた環境でのんびり過ごす日々や、地域コミュニティとのつながり、新しいスキルや知識の獲得など、田舎暮らしでしか得られない経験があります。

失敗例やリスクを踏まえた上で、事前の準備と計画をしっかりと行いましょう。移住先の選定、仕事の見通し、地域との関係構築、新たな生活スタイルへの適応など、慎重に検討し、自分や家族にとって最適な選択をしてください。

田舎暮らしを成功させるためには、柔軟な思考と継続的な学びが大切です。

都会の喧騒を離れ、「いつかは理想のライフスタイルを叶えたい」そう思っているなら、その気持ちを忘れないように持ち続けることも大事です。

どんな状況でも、前向きな気持ちと積極的な行動が成功への道を切り開きます。田舎暮らしを通じて、新しい価値観や人間関係、自己成長を得られることを信じて、挑戦してみてください。その先にある充実した生活が、あなたを待っています。