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小布施町で移住者交流会を開催。移住者同士のつながりと交流の機会を創出

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小布施町で移住者交流会を開催。移住者同士のつながりと交流の機会を創出 | 二拠点生活

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二拠点・移住ライフ大学編集部は、11月8日(土)に開催された、小布施町役場としては9年ぶりの移住者交流会を訪問させていただき当日の様子を取材してきました。

小布施町は長野県北部に位置し千曲川を隔てて長野市に隣接し、長野市街地からのアクセスも長野電鉄で30分ほどです。そんな小布施町は、長野県で一番小さな市町村で、町の中心部は歩いて回れる規模感。千曲川の舟運が発達した江戸時代には、水路、陸路の交わる交通と経済の要所として栄えました。

小布施駅を降りてみると、地名の由来である「逢う瀬」の言葉どおり、観光と日常がやわらかく溶け合い、訪れる人と暮らす人との交流が自然と生まれる雰囲気がありました。町としても、地域住民の庭を開き、訪れる人に自由に見てもらうオープンガーデンという取り組みを推進しており、観光客や移住者も受け入れてくれやすい風土が醸成されている印象を受けました。

小布施町移住者交流会で新たなつながりを創出


移住者交流会の会場は「手打百藝おぶせ」というおそば屋さん。小布施駅から徒歩で約10分の場所に位置します。町民の方はもちろん観光客の方も訪れる人気のお店です。
お店には町役場の方や「まちづくり委員会交流を考える部会(以降、交流部会)」の方、移住者の方あわせて28人が集まりました。初対面の人が多く、初めは緊張した雰囲気でしたが、自然に会話が生まれ、交流が始まりました。

各テーブルには役場の方や「交流部会」の方が同席し、実際に小布施に移住した人たちの生活や仕事、地域との関わり、小布施の好きなところや変だと思うところなど、様々な話題が交わされました。会場では天ぷらとそばを囲み、和気あいあいとした雰囲気で進行していきました。

ご主人自慢の巨峰やチェリーキッスを使った色鮮やかなそば、もちもちの発芽そば切り、のどごしの良い食感の更科そばなど、店ならではの品を味わいながら意見交換を行いました。

小布施町移住者の生の声

参加者へ、小布施町へ移住してみた感想などをざっくばらんにお伺いしました。

Uターン移住者の栗原さんは、ご実家がリンゴを育てる兼業農家だったそう。
「10代の頃は、小布施町を出る!」と心に決めていたと語ります。
しかし、実際に町を出て就職してみると、「小布施の町民をはじめ移住者の方々も一体となって町を盛り上げる活動が活発化し、町の外から小布施を見ていて改めて魅力を感じUターン移住に至った。」と語ります。
現在は、町のためにできることは無いか。地域の小さな課題を解決していくことに前向きに取り組まれています。

小布施町地域おこし協力隊の西野さんは、神戸市出身。
信州大学在学時に環境問題に関心を持ち2023年4月に「木質資源の利活用」をミッションとして小布施町へ移住されました。

小布施の時間の流れ方が好き。」と語る西野さん。西野さんは、小布施町のパワフルで活気があるところに惹かれ、再生可能エネルギーの現場で地域循環をつくる道として小布施町を拠点に選び、来年の協力隊退任後も、小布施町に定住することに決めたのだそう。

現在西野さんは、町のゼロ・カーボン目標に向け、森林資源を生かした木質バイオマス利活用の実装を担当されています。「木質バイオマスを活用した持続可能なシステムを小布施町でつくり地域の材で温まる町の実現に向けてがんばります!」と意気込みを語っていただきました。

Iターン移住者の林さんは、北海道釧路市生まれ、札幌市育ち。
お仕事の関係もあり東京都内でお子さん2人を育てていました。そんな林さんは、ウィンタースポーツが趣味で長野県には度々スキーで訪れていたそう。

林さんが移住を決意したタイミングについて伺うと、「コロナ禍に、都内の家の前で子供達が遊んでいると、ご近所さんに通報されることが何度かあり、子供達をのびのびと遊ばせるために休日を長野で過ごす二拠点生活を送るようになっていました。子供たちにとって遊びの中心は長野であり、長野を拠点に私が東京に通勤すればよいと考えるようになったのがきっかけでした。」と語ります。

続けて「小布施町は、斑尾、野沢温泉、志賀高原、菅平といった県内の有名なスキー場のちょうど真ん中辺りにあるので、その日の雪の状況から行くスキー場を決めることができます。子供達が転校することを考慮し、長男が4年生のうちに移住しようと決めました。」とお話頂きました。

小布施町での働き方については、「週に2日ほど都内で勤務していますが、新幹線を利用すれば2時間ちょっとで通勤できます。移動中はTRAIN DESK(仕事・勉強優先の車両)で仕事ができるので、都内での満員電車通勤に比べると、生産性は上がっている気がします。」とのこと。
通勤頻度が少なければ小布施町と都内を行き来し生活が可能な点は、移住地選びの幅が拡がりそうです。

移住後は、町が企画しているわんぱく教室のキノコ狩りや川下り、川遊びなどを通じて町の人や他のご家族と知り合うきっかけを得ることができたそうです。

移住して意外だったことは、「子供達を町で育てている感覚を強く感じた。」ことで、「町にはファミリー・サポート・センター事業があり、出張で自宅を留守にする際も地域で子育てを手伝ってくれる仕組みがある点は、コンパクトな小布施町ならではですね。」と、移住前には知らなかった町の支援を受け、安心して子育てができているそうです。

小布施町ファミリー・サポート・センター事業:子育ての手助けをしてほしい方(依頼会員)と子育てのお手伝いをしたい方(提供会員)が、お互いの条件が合った場合に、子育ての相互援助活動を行います。

取材中に感じたことは、町と住民の距離の近さです。
その他にも参加者からは、相談や協力が日常的であること役場の担当者の顔が見える関係が築かれていることが語られました。

小布施町の文化拠点”おぶせミュージアム”で町の文化に触れる

交流会の後は、参加者有志でおぶせミュージアム・中島千波館へ移動しました。

人と地域と共存する小布施町の文化拠点として設立した町立美術館”おぶせミュージアム・中島千波館”では、小布施出身の日本画家・中島千波さんと、金属造形作家・春山文典さんの作品を中心に展示しています。

当日は、おぶせミュージアムの館長さんに館内を案内していただき、中島千波さんや春山文典さんにまつわるエピソードや作品の解説をしていただき、地域の芸術文化に触れる貴重な時間になりました。

館内は撮影禁止でしたので写真はありませんが、写真では伝わらない中島さん・春山さんの圧巻の作品の数々を、実際に足を運んで見て欲しいですね!

また、館内には小布施町の伝統文化財である祭り屋台を収蔵展示する「屋台蔵」があります。
小布施町には、江戸~明治時代初期に造られた祭り屋台が、7台現存しています。そのうち、葛飾北斎が天井絵を描いた東町、上町の2台は北斎館に展示されていますが、中町、伊勢町、横町、福原、六川の5台がこの屋台蔵に展示されています。天井に細いガラス管を市松模様に組み込んだ「ギヤマン屋台」ともいわれる中町祭り屋台をはじめ、各町で異なる装飾が施されており、当時の小布施の繁栄を物語る彫刻・意匠が見どころです。
おぶせミュージアムから北斎館へ向かう途中には、江戸から北斎を招き、小布施文化の礎を築いた髙井鴻山の記念館があります。北斎が訪れた当時の風情が残っており、北斎と鴻山の交流がわかる貴重な書画や資料が展示されています。
ぜひ3つの美術館を巡り、北斎と鴻山がいた時代の頃から交流の町であった小布施に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

小布施の若者が新たな交流拠点「往来 -ourai-」をオープン予定

(往来 -ourai-外観 北信ローカル提供)

移住者交流会の終了後、偶然にも小布施町内の空き家で交流イベントがあると聞きお邪魔させていただきました。こちらの空き家は、かつてお豆腐屋さんだった建物で、「往来 -ourai-」という複合施設への改修が予定されています。
地域の仕事や訪れる人の滞在をつなぎ、日常のあいさつが自然に行き交う場を提供したい。」と。一般社団法人小布施まちイノベーションHUB理事兼事務局長である日髙 健さんに空き家を案内頂きました。

宿、ワークラウンジ、飲食、まちの企業の事務所が入り混じる拠点として2026年春に完成を目指す計画が進行中です。
この日のイベントでは、読書会やまち歩き、栞づくり、館内ツアーに加えて、軽食や夜ごはんの提供が行われていました。改修前の空き家がどのような変貌を遂げ、訪れた人たちとどのような交流が生まれていくのか、来春オープンが楽しみです。

終わりに

小布施町の移住者交流会に参加し、移住者同士の交流の場があることは移住者にとって心強く、町内のゆるやかなつながりを広げる土台になるだけでなく、暮らしの困りごとを直接伝えられる場になっていることを感じました。

また、コンパクトな町だからこそ、子育て世帯にとっては物理的にも精神的にも安心して成長を見守れる環境が整います。

実際に交流した町民の方からは、少し歩けば知り合いに会い、何気ない会話から相談や協力が生まれると聞き、そうしたにぎわいや住民同士の関係性が生活の質に結びついています。

次はどの季節に歩こうかと考えながら、小布施をまた訪れたいという気持ちで一日を締めくくりました。

小布施町へ移住をお考えの方や、興味を持った方はぜひ1度現地へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

2025年12月26日公開時点の情報です。訪問の際は最新情報をご確認ください。

本記事で紹介している移住者交流会の会場「手打百藝おぶせ」は2025年12月31日で営業を終了されます。

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