magazine

収益より豊かさを選んだ。古民家宿と私の二拠点生活

目次

収益より豊かさを選んだ。古民家宿と私の二拠点生活 | 二拠点生活

「自分にあった二拠点生活・移住先が分からない…」
「知らないだけで、もっと自分にぴったりなまちがあるのでは…」

そんな方には「住みたいまち検索」がおすすめ!

政府機関が発表する中立・公平なデータをもとに、
全国1,741すべての自治体から
本当にぴったりなまちが探せるのは、
二拠点・移住ライフ大学の「住みたいまち検索」だけです。

 

東京と音戸、ふたつの暮らしがくれる豊かさ


東京を拠点にしつつ、広島県呉市・音戸町という瀬戸内海沿いの小さな町とを行き来する「二拠点生活」を始めて、7年が経ちました。現在は月に一度のペースで音戸を訪れ、そこで築100年を超える古民家を活用した宿の運営を行っています。
宿の名前は「音戸イロリバHOUSE」。旅人と地域、そして未来へとつなぐ“古民家宿”として立ち上げました。運営に関しては正直、大きな利益が出ているとは言えません。それでも、私はこの場所と関わることに、まったく後悔はしていません。
なぜなら、音戸大橋から見える瀬戸内の海、地域の人たちのあたたかな声、そしてここでしか得られない「暮らしの実感」が、かけがえのない時間を与えてくれるからです。海を眺めるたびに、何度訪れても心が弾む──そんな場所が、人生にひとつあること。それが私にとって、何よりの財産になっています。

きっかけは「地域課題に関わってみたい」という想い


 

この二拠点生活の出発点は、「ひろしま里山ウェイブ」という広島県庁の関係人口創出プラットフォームへの参加でした。都市部に住む人と、地域の人と課題をつなぐ取り組みの一環として、自分のスキル──文章をつくること、人と人をつなげること──を地域で活かしてみたいと考えたのが始まりです。
そこで出会ったのが、音戸の一軒の古民家。かつて賑わった町の一角にあるその家が、地域に再び人の流れを生み出す場にならないか──そう考え、古民家宿として再生するプロジェクトを提案・実行することになりました。
始まりはほんの小さな関わり。でもその一歩が、「東京の生活」と「音戸での暮らし」をつなぐ、新しい日常への扉になりました。

海外ゲストとの交流も。地域の“ハブ”としての宿


音戸イロリバHOUSEの運営は、まずは国内のゲストを迎えるところからスタートしましたが、徐々に海外からのお客様も訪れるようになり、異文化交流の場としても機能するようになりました。
ある日訪れたゲストが音戸の魅力に惹かれて移住し、今では地域の一員として暮らしている──そんなエピソードも生まれています。宿という空間が、単なる滞在の場ではなく、人と人、都市と地域、そして文化をつなぐ“ハブ”となることの意味を、日々実感しています。
また、宿では「家守制度」という仕組みを導入し、滞在者が地域の一員として役割を担いながら暮らす体験を提供しています。これにより、地域の方との信頼関係が生まれ、旅人も“ただの観光客”ではなくなります。
さらに、新しい家守さんが音戸にやってくるたび、私たちは地域のキーパーソンをお招きした懇親会を開いています。これは、地域と長期滞在者が顔の見える関係を築き、自然に溶け込んでもらうための大切な場です。
実際にこの場をきっかけに、地域の人々と家守さんとの間に信頼関係が生まれ、滞在期間中の交流や協力がスムーズに進むことも少なくありません。地域にも新しい風が吹き込み、家守さん自身にとっても移住者や地域おこし協力隊とのつながりができるなど、大きな人脈づくりのチャンスになっています。
何より、そのつながりが広がっていく過程が、とても楽しいのです。

観光地ではない、だからこその価値


音戸は決して“有名な観光地”ではありません。でも、だからこそ残っている“日本の原風景”があります。古い町並み、漁港の風景、住民の素朴な笑顔。これらが、訪れる人の心を自然とほどいてくれる。
私自身、月に一度とはいえこの町に通い続ける中で、「地域に関わる」という感覚がだんだんと身体に馴染んできました。都市の効率やスピードとは違う、ゆっくりとした時間の流れの中で、“生きる”という感覚が再構築されるように思うのです。

次の世代に、古民家と想いを引き継ぎたい


今後の展望としては、音戸イロリバHOUSEを単なる宿泊施設にとどめず、次の世代に引き継がれる「場」として育てていきたいと考えています。
それは建物の保存にとどまらず、人と人のつながり、地域との関係性、そして“こういう生き方もある”という選択肢の種を残すことでもあります。関係人口という言葉が注目される中で、こうした活動が少しでも地域の未来につながるなら、そんなにうれしいことはありません。
そして何より、自分自身が心から楽しんでこの場所と関わり続けられていること──それが、すべての原動力になっています。
都市と地方、仕事と暮らし、日常と非日常。二拠点生活は、それらをつなぐ「選択肢」です。そしてそれは、誰にでも手が届く身近なものでもあります。

「自分にあった二拠点生活・移住先が分からない…」
「知らないだけで、もっと自分にぴったりなまちがあるのでは…」
 
そんな方には「2拠点・移住ライフ大学のライフスタイル診断」がおすすめ!
 

公的な機関ではなく、どこかの市町村に属しているわけでも無い
民間のサービスだからこそあなたの理想の暮らしの応援者として寄り添います

JOIN US!

会員登録するとできること