「ただ帰りたい」が原動力。秋田と千葉で見つけた私らしい二拠点暮らし
目次
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千葉と故郷秋田市の二拠点生活を始めてから10ヶ月。
2ヶ月のうち2週間は秋田市の実家に滞在し、それ以外はこれまで通り千葉で夫と暮らしています。
私はリモートでフリーライターをしているので、仕事をする場所や時間の制約はありません。秋田滞在中は、実家で仕事をしながら、地元の文化や人とのつながりを楽しみ直す暮らしをしています。
「起業したい」「家族の役に立ちたい」という明確な理由があって二拠点生活を始めたわけではありません。
「ただただ、もっと帰りたい」という個人の素朴な感情から始まった二拠点生活の様子をお届けします。
二拠点生活のきっかけは秋田の農業イベント

秋田県雄勝郡東成瀬村で開催された農業イベントではしいたけ収穫を体験
二拠点生活のきっかけは、2025年1月に開催された農業イベントでした。運営会社のメンバーは、UターンやIターンした若者ばかり。
交流するうちに「私だって秋田に関わりたいのに」という嫉妬に似た気持ちがわいてきました。
実はイベントに参加する2~3年前から「地元のことを知らないコンプレックス」を感じていたのです。秋田には秘湯と呼ばれる温泉や美味しい日本酒、独自の食文化が残っていることを知り始めてから、「秋田には、私の好きなものが詰まっているのでは?」という気持ちが湧き始めました。
それと同時に、中高生の頃は駅ビルやイオンでしか遊んでいなかったことに悔しさを感じるようになったのです。秋田の食べ物も、自然環境も、文化も、ほとんど味わうことなく関東に出てきたことが気がかりでした。
数年前からモヤモヤを感じていたところに移住した若者と関わる機会が重なり、「地元を楽しみ直したい」という想いが強くなっていったのです。
リモートワークなので千葉でも秋田でも仕事ができる

千葉の仕事スペース
フリーランスのWebライターをしているので、パソコンとネット環境さえあれば、千葉でも秋田でも同じように仕事ができます。
この条件は、二拠点生活を後押ししてくれました。
自宅もしくはコワーキングスペースで仕事をして、休日は出掛けるというライフスタイルは千葉でも秋田でも変わりません。
普段の過ごし方【千葉編】
平日は仕事をして、夜はご飯を作って夫と食べるのがルーティンです。休日は家庭菜園をしたり、首都圏で開催されているイベントへ出掛けたりします。

自宅の畑で友人とさつまいも掘り
先日は、渋谷で開催された秋田県人会に参加してきました。
秋田ゆかりの20代~40代が40人以上集まり、秋田への想いや事業について話しながら交流しました。

渋谷で開催された秋田県人会
二拠点生活を始めるようになってから、千葉での暮らしの密度も上がったように思います。
例えば、以前は千葉で友人と遊びたくても「別にあとでいいや」と思って先延ばしにしていましたが、今は「もうすぐ秋田に行くから早く誘わなきゃ」と、今の貴重さを感じながら過ごせるようになりました。
なんてことない夕飯の時間も「来週からは秋田へ行くから、千葉での夫との時間を楽しもう」と思い、大切にできます。
普段の暮らしが貴重なものに思えることで、一日一日の密度が上がるのは、二拠点生活の良いところではないでしょうか。
普段の過ごし方【秋田編】

秋田駅東口にあるアトリエアルヴェは映画館をリノベーションした解放感のあるコワーキングスペース
平日は実家の子供部屋もしくはコワーキングスペースで仕事をして、夜は母の作ったご飯を食べるか、飲みに出かけます。
休日は温泉へ出掛けたり、祖父母の家を訪れたり、秋田の名産「じゅんさい」の収穫体験をしたり、秋田ならではの活動を楽しむことが多いです。

秋田市の人気の居酒屋「永楽食堂」では日本酒を堪能できる
先日は、「秋田に帰る言い訳をつくろう」というテーマを掲げて話す機会を作りました。参加者は、同じく「もっと秋田に帰りたい」と考えている友人や秋田に移住してきた友人です。

秋田に帰る理由について意見交換しました
首都圏からの交通費の高さや、帰るための強い理由がないことが帰りにくさにつながることを改めて実感しました。
今後も似たような考えを持っている人とつながりながら、似たような人たちの「地元に帰りたい」をサポートできればと考えています。
今後は自分や友人の「地元秋田に帰る理由」をつくりたい
引き続き「秋田を楽しむ」に取り組みながら、似たような人たちとつながり、地元秋田を楽しむための活動を広げていきたいです。
まずは秋田の自然や文化をめいっぱい楽しむ

日本一人気ともいわれる秋田県仙北市にある鶴の湯温泉
秋田には重要無形民俗文化財のほか、泉質の良い秘湯や日本酒など、どこか通(ツウ)で粋な雰囲気を持つ文化がたくさんあります。まずは秋田ならではの文化を学び、感じ、自分の生まれ育った場所を知ることから始めたいです。
30歳を過ぎた頃から、家系図を作りたい欲求が出てきたり、地元の文化を知りたくなったり、ルーツにまつわる関心が募ってきました。年齢に応じて湧いてくる欲求をないがしろにせずに、一つひとつを成仏させたいと思います。
秋田にまつわる「書く仕事」に取り組む
フリーランスのWebライターをしているので、これまでの経験を活かして秋田の産業や文化に役立つ活動ができればと思います。先日、秋田の農家さんに取材をするお仕事をいただきました。お話を聞くことはもちろん、普段は訪れないエリアに宿泊したり、ローカル線で移動したりするのは楽しいものです。
仕事をすることで少しでも地元の役に立てるのであれば、こんなに嬉しいことはありません。
「秋田に帰る言い訳をつくろう」という集まりを広げる
秋田の友人や県人会の参加者と話すと、「もっと秋田に帰りたいけど、頻繁に帰るだけの理由がない」という方が多くいます。
確かに仕事や家庭、経済的な都合などがあると「理由なく頻繁に帰る」は難しいと思います。
その中でも、特にフリーランスの人たちは「仕事があれば行きやすい」と話すので、仕事やイベントをはじめとした「帰るための言い訳」をつくる人になりたいと考えています。
少子高齢化の先進県といわれる秋田にとっては、たとえ個人の素朴な想いが起点の帰省や二拠点生活だとしても、意味のある動きになるのではないでしょうか。
秋田にゆかりのない人が秋田に移住するのはハードルが高いかもしれません。
しかし、すでに「もっと帰りたい」という気持ちを抱えている人をもう少し帰らせることは、現実的なことだと思います。
せっかくなら個人で楽しむだけではなく、似たような仲間や地域の役にも立ちながら、地元を楽しみたいです。
移住・二拠点生活を考える方へのメッセージ
以前の私は、移住や二拠点生活をするには、仕事や暮らしの面で何か明確な理由がないといけないと思い込んでいました。
「この地域の役に立つ事業を立ち上げたい」「家族のより良い暮らしのために移住したい」など、誰に言っても褒められるような理由がある人だけに許される特権だと思っていたのです。
しかし、もっと素朴な理由で移住や二拠点生活を検討しても良いのではないでしょうか。
「もっと帰省したいから、地元と首都圏の二拠点生活をする」
「旅行先を気に入ったので1ヶ月くらい滞在する」
「心身の疲れを癒すために、しばらくこの土地にいたい」
個人の素朴な感情を大切にしながら滞在場所を決めてもいいのかもしれません。
「もう少し地元に帰りたいな」という想いが出てきたら、その想いをちょっとだけ大きく広げて、二拠点生活や頻繁な帰省につなげてみるのはいかがでしょうか。
公的な機関ではなく、どこかの市町村に属しているわけでも無い
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