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白州を知ってほしいから、この町をめぐることにしました。

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白州を知ってほしいから、この町をめぐることにしました。 | 二拠点生活

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2023年12月2日(土)、山梨県北杜市白州町をめぐる移住体験ツアー「日帰り田舎暮らし体験 めぐる白州 」が開催されました。主催は同市で住宅の新築やリフォーム、施設の建築などを手がける「巧光建設(たくみけんせつ)」。「少しでも白州の魅力を感じてもらい、移住者が増えるきっかけとなれば」と、本開催の企画に乗り出したと言います。

八ヶ岳の南麓に位置する北杜市は、都心からも近く自然環境も豊かな地域。特に今回ツアーが開催された白州地域には、日本百名山のひとつ「甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)や、名水百選に選ばれている尾白川」、それら雄大な自然が育んだ米や野菜などの良質な食材等、豊富な地域資源に恵まれた地域として、観光だけではなく第2の生活拠点や移住先として注目度の高いエリアです

当日は地元白州と東京の「里帰り二拠点生活」をしているコミュニティビルダー「辻 麻梨菜(つじまりな)さん」がコーディネーターとなり、先輩移住者や地元住民との交流や、ディープなスポットをめぐるまちあるき、新規オープンのデリカテッセンで味わう白州野菜のオーガニックランチなど、「白州町のリアル」にフォーカスしたプログラムが展開され、参加者たちは、時に真剣に、時に和やかにツアーを楽しんでいました。

それでは、晴天の中、冬の澄んだ空気が流れる白州をゆるゆると散策した「めぐる白州」の1日を振り返っていきます。

■PHOTO by 古厩志帆 https://www.instagram.com/shiho.furumaya/、他
■TEXT by 野呂瀬亮 https://twitter.com/ryo_norose

1. “地域に開かれたお寺”自元寺で「白州」を知るオリエンテーション


朝10:20、まず初めに「“地域に開かれたお寺”自元寺で『白州』を知るオリエンテーション」がスタート。会場には、東京・神奈川などの隣県や、遠方では愛知からと、様々な地域、年齢の参加者たち10名が集まりました。辻さんをファシリテーターに「元々白州に興味があった」「自然が豊かな場所に拠点が欲しい」「趣味である登山を日常的に楽しみたい」など、参加者それぞれの参加理由と目的が話されていきます。


続いて2023年より北杜市に移住し、“地域おこし協力隊”として活動されている大輪崇人(おおわしゅうと)さんより、自身の実体験を踏まえたまちのプレゼンテーション。中でも参加者が関心を示していたのは、行政からの手厚い“支援制度”でした。北杜市には、移住や住宅、子育て、就労など、分野によって最大150万円の補助金・助成金制度が設けられています。移住定住者の呼び込みに積極的な北杜市の取り組みについて、大きく頷きながら話に聞き入る参加者たちの様子が印象的でした。

最後に自元寺の住職である山﨑秀典(やまざきしゅうてん)さんから、この地で生まれ育った自身の思い出や体験談を織り交ぜつつ、白州の歴史や文化、魅力が語られ、オリエンテーションは終了。いよいよ一行はまちに繰り出していきました。

2. 白州の自然環境を活かした“こだわりのお店”をめぐる「まちあるき」


自元寺を出るとすぐに「旧甲州街道」に差し掛かり、「白州の自然環境を活かした“こだわりのお店”をめぐる『まちあるき』」がスタート。江戸時代からの歴史情緒を漂わせる街道を歩きながら、辻さんより近隣の小学校や病院などが紹介されていきます。


途中、ハード系が売りの人気パン屋さん「ゼルコバ」や、きのこ専門店「白州・山の水農場」に立ち寄り、和やかな試食&買い物タイムへ。いずれのお店も移住者が経営しているお店だそうで、水や食材が良質な北杜市では近年こういったケースも増えてきているのだと言います。お土産片手にパンを頬張りつつ、参加者同士それぞれの境遇や将来の生活についてお話されていました。

3. デリカテッセン「Koma」の白州野菜を味わうオーガニックランチBOX

江戸時代に甲州街道の宿場町として繁栄した台ヶ原宿へ差し掛かる一行。古民家や蔵が散在する街並みの一角、老舗和菓子店金精軒を会場に、デリカテッセン『Koma』の白州野菜を味わうオーガニックランチが始まります。


参加者にランチボックスが配られると、2024年1月にオープンを控えるデリカテッセン『Koma』」の代表である小野絢子(おのあやこさんから、料理についての説明がスタート。この日振る舞われた料理は全て白州の有機野菜が使われており、瑞々しく風味豊かな味わいに参加者達も舌鼓を打ちます。

実は現金精軒代表の娘さんだという小野さん。地元高校を卒業し、10年間の上京生活を経てイギリス・ロンドンへ渡航。有名デリカテッセンオットレンギでシェフを勤める中で、「生まれ育った白州の水や野菜、環境の素晴らしさを伝えたい」と思うようになり、本年2023年に北杜市へUターンしたのだそう。良質な食材を食べていると身体の調子もいいと、改めて白州の環境が恵まれていることに日々気付かされると言います。

ランチタイムを終えた参加者たちは、食休みを兼ねた自由散策タイムへ。台ヶ原のまちへ繰り出していきました。

4. 自由散策〜「ここがこうだよ白州トーク」先輩移住者との座談会

伝統的な酒蔵七賢や地元の家族が営む台ヶ原珈琲などを訪れつつ、甲州街道の宿場町『台ヶ原宿』で白州の歴史を感じる自由散策を終えた参加者たちは、再び金精軒に集合。「『ここがこうだよ白州トーク』先輩移住者との座談会が始まります。

先輩移住者として参加したのは冒頭のまち歩きで訪れた「白州・山の水農場」代表の水谷三重子(みずたにみえこ)さんと、コロナ禍をきっかけに白州に移住し、フリーランスエンジニアとして移住前の仕事を継続している武藤和寛(むとうかずひと)さん・露子(つゆこ)さんご夫妻。いずれも大手飲料メーカーが拠点を置くほどの「綺麗な水」と「美しい自然」に惹かれたという共通の移住理由をあげつつも、住まいの見つけ方や、地域自治体との関係性、仕事や子育ての形などは三者三様。白州に住んで「良かったこと・苦労したこと」をつまびらかに語りました。

水谷さん:「当然理想と違っていたり大変なこともあるけれど、きれいな水や空気、良質な食べ物とともに暮らしていると、ストレスを感じないんです」

武藤さんご夫妻:「周りに色々な事に挑戦している人や、それを応援してくれている人が多いので、失敗への恐れや経済面の不安を感じなくなってきています」

苦労もありつつ、充実した暮らしを実践している先輩移住者たちの言葉に耳を傾ける参加者たち。こうしたリアルな声が聞ける機会は貴重」と、有意義な座談会に満足気な笑みを浮かべていました。

5. 焚き火を囲みながら地元住民とまったりコーヒーブレイク


名峰甲斐駒ヶ岳裾野に広がる白須地域の田園地帯へ移動した一行。ツアープログラムクライマックスとなる焚き火を囲みながら地元住民とまったりコーヒーブレイクがスタートします。


淹れたてのコーヒーと焚き火で身体を温めつつ、マシュマロや焼き芋を頬張る参加者たち。夕暮れ時の美しい空模様の中、西に南アルプス、北東に八ヶ岳の絶景を望みながら、地元住民や参加者同士での交流を楽しみました。


「綺麗」「気持ち良い」「良いところ」などの声が飛び交い、1日を通して白州の魅力を実感する参加者たちの様子が伺えました。

6. 振り返りワークショップ〜地酒や地元のお店の食事を味わう「ちょい呑み屋」で乾杯

一行が集合場所の自元寺に戻ってきたのは、辺りがすっかり暗くなった17:30付近。盛りだくさんのプログラムを終えた参加者たちは、振り返りワークショプの行程へと進んでいきます。

「観光では体験できない経験になった」

「食のレベルや文化度の高さを実感した」

「自然環境だけでなく、まちや人も素敵だった」

「暮らしていくイメージが高まった」

など、多くのポジティブな感想があげられ、参加者たちは満足感を表情に滲ませていたのが印象的でした。


最後に希望する参加者と地域住民、運営チームによる懇親会地酒や地元のお店の食事を味わう『ちょい呑み屋』で乾杯が催され、日帰り移住体験ツアー「めぐる白州」の締めくくりへ。近隣のお店やワイナリーからテイクアウトした料理やドリンクを味わいつつ、より深い地元トークに花を咲かせ、大盛り上がりの中で全工程が終了しました。


「新しい暮らし」への土壌造りを


今回の「日帰り田舎暮らし体験 めぐる白州 」を通し、白州という地域がいかに高いポテンシャルを持ち、移住先から関心が寄せられているかを実感する一方で、移住者を受け入れる「住まい」の戸数が追いついていない課題があることも知りました。

北杜市では空き家バンクなどの施策にも取り組んでいるものの、実際建物の持ち主は顔が見える相手」「信頼のおける人」に家を譲りたいと考えているのが実情。多くの場合が個人間の紹介でやりとりがされており、不動産情報として出回ることは少ないのだそうです。


そうした実態を受け、ここ白州を中心に、各地で移住者や関係人口を増やすための拠点造りを展開していきたい」と語る巧光建設代表の小石雅之(こいしまさゆき)さん。引き続き同社では今回のような日帰り田舎暮らし体験ツアーの開催も検討しているとのことで、今後の展開に期待が高まります。

主催 ー 巧光建設(たくみ建設)


巧光建設(たくみ建設)は、多様な建設ニーズにお応えし、顧客の立場に立ったサービスと技術を提供しています。在来工法に特化し、綿密な打合せを通じて顧客の要望に合わせた建築を実現。また、注文住宅の技術を最大限に活かしたリフォームや耐震診断も行います。公共施設の建築工事にも積極的に参加し、実績として地元小学校改修工事や長坂駅前公衆トイレ設置工事などを施工。また、公共事業における災害復旧工事、道路改修工事、貯水槽設置工事なども手がけています。

〒408-0021 山梨県北杜市長坂町長坂上条891番地2

TEL:0551-32-3043 / HP:https://takumi-cnst.co.jp/

共同企画者 ー 辻 麻梨菜(つじまりな)  コミュニティビルダー


1990年生まれ、山梨県北杜市白州町出身。母校の統廃合や地域のお祭りの廃止・縮小など、地元の変化を目の当たりにし「地元 / 地域活性 / まちづくり」に興味を持つ。2019年より東京と山梨の『里帰り二拠点生活』を開始。現在は、都内のベンチャー企業に複数所属し、地場産業の経営支援事業 / 人材育成事業の立ち上げ、リノベーション団地「いろどりの杜」のコミュニティ運営に従事。また個人では、山梨県の関係人口創出を目的とした各種イベント、地元白州の未来を考えるワークショップ「白州2050」、実家のお米「辻米〜辻家から届く仕送り米〜」の企画・運営など、組織に捉われない新しい働き方を実践しながら、地域活性 / コミュニティを軸に地域課題と向き合う。

 

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