【甲信エリア版】2023年版「住みたい田舎」ランキング

この記事を読んでいるあなたは、漠然と「地方で自然豊かな土地へ移住したい」といった気持ちを抱いているのではないでしょうか。
「働き方改革」という単語が、ある時期から注目を浴びるキーワードになって久しいですが、2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大により働き方はもちろんライフスタイルの変化を余儀なくされた方も多いことでしょう。
都市部から甲信エリアで移住・二拠点生活する場合、どこの地域がおすすめなのでしょうか?
今回は月刊誌『田舎暮らしの本』(宝島社)が発表した、「2023年版第11回 住みたい田舎ベストランキング」の結果を参考に、それぞれの市町村を自治体の人口規模別に紹介していきます。
ちなみに、全国の総合ランキングはこちら
それではさっそく見ていきましょう!
甲信エリア おすすめの田舎ベスト10
1位 飯田市(長野県)

長野県飯田市は、約10万人が暮らす県内の中では比較的温暖な地域です。また、県内でもトップクラスの自然を誇る長野県飯田市には、市街地で利便性の高いエリアもありますが、郊外で南アルプスを見ながらゆったりと暮らしたい方は、山本や北方、大瀬木といった地域が良いでしょう。移住目的に合わせて住むエリアを選ぶと良いです。
飯田市市街地には、大型ショッピングモールがあり、交通のアクセスが便利で、特に名古屋までのアクセスが良く約1時間半で移動できます。また、2027年までにはリニア中央新幹線の新たな駅できることで、品川から40分、名古屋から20分と大幅に交通アクセスが良くなるといわれています。
子育て面では、18歳までのお子さんの医療費の助成や、奨学金一部免除制度などがあります。気になる方は市が、移住相談会・個別相談、移住者交流会・体験プログラムを実施しているタイミングもあるので参加してみると良いでしょう。
2位 伊那市(長野県)

長野県伊那市は、約7万人が暮らし県内で3番目に広く桜で有名な高遠城址公園があるなど自然豊かなまちです。また、市内は南アルプスと中央アルプスに囲まれ、3,000m級の山々もたくさんある地域。日本を代表する高山植物の宝庫であり、特別天然記念物のニホンカモシカやライチョウを見ることができます。
そんな伊那市ですが、バスタ新宿から高速バスも運行しており、3時間30分ほどで都心へアクセスできます。車でも東京へ中央道を利用して2時間45分、電車では特急あずさを利用して約3時間30分ほどと、交通の便が良い点も魅力です。
伊那市には、お試し暮らしができる制度があり一泊4,000円で移住体験が可能。また、移住コーディネーターを設置しており、移住モデル地区など、移住支援制度が手厚いのが特徴です。その他、児童手当や、保育の無償化、定住助成金が最大15万円受け取れる制度もあります。
3位 飯山市(長野県)

飯山市は、約2万人が暮らしており里山の美しい風景とともに、ゆったりと生活できる環境です。また、日本有数の豪雪地帯でもあり、市内には2か所のスキー場「戸狩温泉スキー場」「斑尾高原スキー場」があり、冬は思い立ったらすぐにスキーやスノーボードへ。仕事前に朝のひと滑りを楽しむことも可能です。
市街地から車で30分圏内には、市内・市外あわせて20か所ほどの温泉施設があります。野沢温泉や湯田中渋温泉郷もすぐ近く。いろいろな温泉でゆっくりと疲れをいやすことができます。
交通利便性は、東京駅から北陸新幹線で約1時間40分、金沢駅から1時間15分、長野駅からは11分で到着するアクセス性の良さから年々移住者が増加しています。
市は移住者を応援するため、飯山市へ転入する方へ補助も行っており人気の移住スポットになりつつあります。また新幹線通勤補助制度もあり、首都圏への通勤も可能となっており、ますます注目を浴びそうです。
4位 北杜市(山梨県)

北杜市は、約4.5万人が暮らしており、八ヶ岳をはじめとする様々な自然を身近に感じることができます。北杜市では、日本名水百選でもある源流からミネラルウォーターが作られており、その生産量は日本トップクラス。なんといっても、日本でも有数の山々の景観を身近に感じられる環境は何物にも代えがたいでしょう。一方で、ある程度の利便性を兼ね備えている点も住みやすいですね。
生活環境は、市内には商店街やスーパー、コンビニ、ホームセンター、アウトレットモールがあり車があれば日常生活で困ることはありません。医療面は、病院が2院、市立診療所2か所、そのほかに民間の診療所、歯科医院、助産院はありますが、住民からは「病院が少ないので待ち時間が長い」といった声も挙がっています。
交通利便性は、まずまずですが車が無ければ不便でしょう。車で甲府市街地まで約50分で移動できます。都市部のアクセスについて、東京へは有料道路で約1時間50分、電車で約2時間30分、名古屋へは3時間程度です。
住まいに関する支援が手厚く、住宅の新築やリフォームに対して、最大150万円の助成金が出たり、空き家のリフォームに対して上限150万円の補助が受けられます。そのほか、無料で2泊3日~7泊8日以内で、北杜市のお試し住宅で実際に暮らしの体験をすることができます。
5位 茅野市(長野県)

茅野市は、八ヶ岳、蓼科、白樺湖とそれぞれ特徴の異なるリゾート地があります。約5.6万人が暮らす自然豊かなこのまちには、スキー場やキャンプ場など自然を堪能できる場所をはじめ、信州そばやジビエなどの食、温泉施設といったリフレッシュできる環境に囲まれています。
また、茅野市ではテレワークスポットの整備や人々の交流できる場所づくりなどを進めており、移住や多拠点生活時もコミュニティが広がりやすそうです。新宿から特急で2時間とアクセスが良いため、人気のエリアになりつつありますよ。
子育て面では、中学校卒業までのお子さんの医療費が助成され、妊婦健診や産婦健診費の助成や、不妊・不育症治療費の助成があります。
子育て世帯には、住まいの新築に最大100万円の補助金もあります。
6位 箕輪町(長野県)

箕輪町には、約2.4万人が暮らします。東には伊那山地、西側には中央アルプスを望み、雄大な自然に囲まれています。豊かな自然だけでなく地元のスーパーをはじめ、商業施設や医療機関、企業などが市街地周辺にコンパクトに集まっています。
東京へは高速道路を利用して約3時間、名古屋までは約2時間半で行けるため、数カ月に1度遊びに行ったり、ショッピングを楽しめる環境です。
子育て面は、待機児童がゼロで町内に8つの公立保育園があり、18歳までのお子さんの医療費の助成も受けられます。保育園児であれば、無料で病児保育や病後保育サービスが受けられます。
その他、若者世帯へ向けて住まいの取得をした際最大で40万円(※お子さん1名につき10万円加算)の補助があります。空き家のリフォームや不用品の廃棄に対しても補助金が出ますよ。
7位 大町市(長野県)

長野県大町市は、西側一帯に3,000m級の北アルプスがそびえる山岳都市。大町市には、約2.8万人が暮らしており、特に魅力的なのは山々から流れ出る澄んだ”お水”。水がおいしいので自炊してもその違いが分るでしょう。また、豊富な水で農作物もとっても美味しく食通の人にもおすすめのまち。
雄大な自然を生かしたアウトドア・アクティビティが身近でありながら、市街地周辺には総合病院や大型スーパーなどが一通り生活に必要なものが揃います。
大町市には、市街地周辺の暮らしを体験できる「まちなか暮らし」や、山間エリア・美麻地区にある「滞在型市民農園(クラインガルテン)」を1泊2日から29泊30日まで利用できる「いなか暮らし」と、目的に合わせたお試し移住プランが用意されています。
「いきなり、田舎の山奥はちょっと・・・」という方にも嬉しいですね。
その他、空き家バンクや、公営物件に安い料金で賃貸できる制度、マイホームの購入に助成金が出るなど、移住時に最も費用が掛かる住まいに関しての支援が手厚いです。
8位 韮崎市(山梨県)

韮崎市は、約3万人が暮らす雄大な南アルプス・八ヶ岳・茅ヶ岳といった、日本の「百名山」に名を連ねる山々に囲まれた自然豊かなまち。ここ数年で、移住してきた方々が新しくお店を始めたりし活気もあるようです。
また、土地が開けているため日照時間が長く、ぶどう・桃・梨をはじめとする果物や野菜といった農業が盛んです。自然の恵みを存分に堪能できる一方で、交通網も比較的整っているため主要な都市圏へのアクセスも良好。スーパーや病院なども一通り揃っています。
子育て面は、18歳までのお子さんの医療費の助成をはじめ、韮崎駅近くの子育て支援センター「にら☆ちび」では子育ての悩み相談や預かり保育を利用できるほか、施設内の遊具やおもちゃでお子さんも楽しめます。
9位 宮田村(長野県)

宮田村は長野県の南部にある田舎まち。村には約9,000人が暮らし、利便性と教育環境が充実した非常にコンパクトな村。
南アルプスと中央アルプスの2つのアルプスに抱かれ、天竜川と太田切川に接し、水と緑に恵まれた自然が豊かな場所です。住民の憩いの場としての総合公園や宿泊可能な温泉施設もあります。降雪は少なく、非常に晴天率の高い地域で、暮らしやすい気候に加え、四季折々の美しい景観も楽しめます。
また、生活や教育面においては、保育園・小学校・中学校・村役場・郵便局などの公共施設はもちろん、スーパー・医院・銀行・商店などは歩いて回れる距離に位置しています。
村内には、住民の多くが勤める企業の工場・店舗なども集まり、職住接近のとても生活しやすいコンパクトビレッジです。
10位 辰野町(長野県)

長野県辰野町は、日本のほぼ中心に位置する諏訪湖の南西側にある約2万人が暮らすまち。中央アルプスと南アルプスに囲まれ、町の真ん中には天竜川が流れ、シーズンになるとホタルが飛び交う風光明媚な田舎。
とっても自然が豊かな一方で、市内には地元のスーパーをはじめコンビニや産直市場などがあり、日常生活に不便はありません。大型の商業施設や娯楽施設は無いですが、首都圏、中京圏へのアクセスに優れており車で約2時間30分と気軽にショッピングも楽しめるでしょう。車は一家に少なくとも1台は必要になりそうです。
また、辰野町には「たつの暮らし体験プラン」を移住を検討してる方に向けて実施しており、移住を検討してる方の目的や要望に合わせて移住体験プランを作ってくれています。
地方の移住先を選ぶポイント

まずは仕事があるか
生きていくためにはお金が必要です。もちろん、自分で農業するなど工夫をすれば、都会に比べて固定費はかなり安くなるのでたくさんのお金を稼ぐ必要はありません。
しかし、学費や車の車検、自然災害などにより突発的な出費があります。
その地域でどういった仕事があるのか、その仕事は自分に合っているかという点は、最優先で調べましょう。
都市部の企業に勤めてリモートワークをされている方やフリーランスの方も、確実な安定収入といえるまでは最悪の場合を想定してリスクヘッジをする意味でも、移住先の仕事について調べておくことがベターです。
地域おこし協力隊に着任するというのも1つの手段です。
興味がある方やそもそも地域おこし協力隊について知らない方はこちらをチェック!
地方での仕事探しについてまとめ記事はこちらです!
子育てを安心してできる環境が整っているか

地域の治安や病院の数、共働きの場合は託児所などのチェックは言うまでもありませんが、地域や近隣の方々も積極的に子育てをサポートしてくれる地域の風土や環境があるかは大事です。その点、すでに移住者が多い地域は移住者同士のコミュニティがあるため、子育てに関する悩みや相談をしやすい環境ですよ。
経済的なサポートだけでなく子育てに関する心理的な悩みにも寄り添ってくれる自治体かという視点も忘れないようにしましょう。
また、人気の移住地は「待機児童が0」と謳っていることも多いでしょう。しかし、移住した土地に高校が無かったり、偏差値が低かったりとお子さんの教育環境が想像していたことと違うケースもしばしば。
幼児期以降の高校進学までを想定して移住地を選ぶことも心がけましょう。
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高齢になり運転ができなくなっても大丈夫か

年齢とともに車を運転することができなくなるタイミングが、その土地にずっと定住しているとおとずれるでしょう。
そんな状況になっても、生きていける環境があることはとても大事なことです。
例えば、最低限の移動手段を確保するために下記のようなこともチェックすると良いでしょう。
- 少し歩けば市バスが通るバス停まで行くことができる
- 乗合タクシーがある
そうは言っても、「遠い将来のことは分からない!」そんな声も聞こえてきそうですが、頭の片隅に置いておくことが重要だと感じます。
特に物件を購入する場合は、簡単に物件を引き払うこともできないケースがあります。引っ越しをしても、物件の維持費や固定資産税が余分にかかることもしばしば。
そのため、頭の片隅に置いておくことで、大事な選択を迫られた場合にしっかりご自身で考えることにつながるはずです。
移住の前にまずはお試し滞在から
地元に帰省するIターン移住ならまだしも、U・Jターンでの移住の場合は、ご自身が住んだこと無い、良く知らない地域であることが多いでしょう。
移住は豊かな自然環境といった目に見えるメリットもありますが、実際に住んでみないと分からないことが多いことも事実。暮らすように長期滞在することで、その土地が自分の理想のライフスタイルに合っているかを判断でき、失敗や後悔するリスクを減らすことができます。
「移住したい」「自然豊かな土地で暮らしたい」という気持ちがある方の多くは、具体的にどのように行動へ移せばよいか分からない方も。
こちらの記事では、移住するうえでのステップをまとめています。
ちなみに、各エリアごとのランキング記事はこちら!住みたいエリアに合わせてご参考ください