【近畿エリア版】2023年版「住みたい田舎」ランキング

この記事を読んでいるあなたは、漠然と「地方で自然豊かな土地へ移住したい」といった気持ちを抱いているのではないでしょうか。
「働き方改革」という単語が、ある時期から注目を浴びるキーワードになって久しいですが、2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大により働き方はもちろんライフスタイルの変化を余儀なくされた方も多いことでしょう。
都市部から近畿エリアで移住・二拠点生活する場合、どこの地域がおすすめなのでしょうか?
今回は月刊誌『田舎暮らしの本』(宝島社)が発表した、「2023年版第11回 住みたい田舎ベストランキング」の結果を参考に、それぞれの市町村を自治体の人口規模別に紹介していきます。
ちなみに、全国の総合ランキングはこちら
それではさっそく見ていきましょう!
近畿エリア おすすめの田舎ベスト10
1位 養父市(兵庫県)

養父市は、約2.5万人が暮らす兵庫県の但馬地域の中央ある田舎まち。兵庫県内でも最高峰の氷ノ山をはじめ自然豊かで、歴史遺産、伝統文化が多く、人情があふれる魅力的な町です。
ちなみに2023年版「住みたい田舎」ベストランキングでは、近畿エリア総合第1位にランクインしており、子育て支援から若者・単身者向けの支援だけでなく、シニア世代へも優しい街づくりを行っています。
養父市は神戸から車で2時間以内、大阪からも約2時間の距離なので、気軽に休日のショッピングも楽しめる距離感にありますよ。
気候は日本海側特有の多雨多湿で、冬季は大陸からの季節風が強く積雪も多い地域ですが、四季の移ろいを感じながら田舎暮らしを満喫できます。
市内各所でお祭りや花火大会など多数の伝統行事が1年を通して行われることも魅力の一つ。冬はウィンタースポーツが特に盛んで、関西屈指の4つのスキー場を有し、シーズンになると県内外から多くのスキーヤーが訪れます。
2位 舞鶴市(京都府)

京都府舞鶴市は、日本海に面しており海も山もある自然豊かな街です。市の大まかなエリアは5つに分けられており、農漁村エリアや、市街地エリアと地区によって異なる特色を持っています。
市内には、全天候型の施設「あそびあむ」や、駐車場が完備された大きな公園も多く休日は子育て家族で賑わっています。「あそびあむ」は、施設の中に迷路やハンモック、巨大な滑り台など一日中遊べる遊具があり市内在住の方は無料で遊ぶことができます。
また、海に面している舞鶴市は美味しい海の幸を満喫できます。名産品である岩がきと丹後トリ貝は絶品で、舞鶴港で獲れた新鮮な魚介類は「道の駅舞鶴港とれとれセンター」で購入できるため、海鮮好きの方は嬉しいですね。
支援体制は、中学校卒業までのお子さんの医療費が助成されたり、舞鶴市乳幼児教育センターの設置をはじめ空き家の取得やリフォームに補助金が出ます。
3位 朝来市(兵庫県)

兵庫県朝来市は、約3.2万人が暮らす田舎まち。アウトドアができる日本海側の海や山へ1時間でアクセスでき、電車・車を使えば、京阪神の都市部までの所要時間は1時間半程度。朝来市は、令和2年度までの6年間、毎年100名以上の移住者がおり魅力的なまちといえるでしょう。
都会にも田舎にもアクセスできる環境で、他の街へのアクセスも抜群なまちですが、あたりは自然に囲まれ多少の不便さはあります。しかし、賃貸物件の値段は都市部と比べるととても安いので広々とした住まいで暮らしやすいです。
子育て面では、給食費補助や、中学校卒業までのお子さん医療費の助成のほか、保育園・こども園の保育料を軽減、出産祝い金、子育て世代包括支援センターの設置、産前産後サポートと経済的な支援だけでなく、気軽に子育てについて相談できる環境です。
住まいについては、住宅の購入時に最大90万円の補助金や、家賃補助が最大6万円/年を最長2年間受け取れる制度もあります。
4位 綾部市(京都府)

綾部市は、人口約3.4万人が暮らす森林の多い美しい自然が広がる田園都市です。多くの有形無形の歴史的・文化的資産を有しており、ものづくりを中心とする産業も盛んです。
市街地には公共施設や病院、スーパーなどもあり、高速道路と鉄道の要衝地となっているため各方面へのアクセスがよく、京都市街地までは約70分、大阪駅までは約110分で行くことができます。
地方小都市ながらさまざまな機能がバランスよく備わっています。また「移住立国あやべ」を掲げ、行政だけでなく市民・自治会・企業等が一丸となって移住・定住に取り組んでいる地域です。
子育てに関して、中学校卒業までの医療費は1医療機関につき月に200円で受けることができます。
住まいに関して、綾部市定住促進事業費補助金として、空き家バンクへの「登録空き家」を改修工事する場合、最大で180万円、「登録外空き家」を改修工事する場合、最大で90万円の支援を受けることができます。
5位 豊岡市(兵庫県)

兵庫県豊岡市は、約8万人が暮らし日本海に接していて自然豊かなまち。かつ兵庫県北部で最も人口が多く地域経済産業の中心となっており、海・里山・小さな市街地と多様な生活環境があります。
市内の豊岡駅からは、JR西日本山陰本線と京都丹後鉄道宮津線の2本が乗り入れ、神戸駅まで電車で片道2時間。駅前周辺には大きなビルはないため、買い物などやや不便ではありますが静かで過ごしやすい環境です。
関西随一の美しい海水浴場として知られる「竹野浜」は、豊岡市の日本海側に面しています。抜群の透明度と美しい景観を誇り、東西に1kmにわたって続く砂浜は「快水浴場百選」と「日本の渚百選」にも選ばれています。
豊岡市では、お試しで移住体験をする際の宿泊費用・航空運賃・レンタカー費用の補助や、移住時の引っ越し費用の補助、空き家のリフォームに対して補助金があります。そのほか、起業・創業の支援も手厚いです。
6位 相生市(兵庫県)

兵庫県相生市は、約2.9万人が暮らし、南は瀬戸内海、内陸は田園地帯と山地が広がる自然の豊かなまち。西播丘陵県立自然公園や羅漢の里といったキャンプ場もあり登山スポットとしても有名です。
相生市内には、地元のスーパーからコンビニが市内各所に点在しており、車があれば不便さを感じないでしょう。鉄道はJR赤穂線・山陽本線・山陽新幹線が通り、山陽自動車道や国道2号などの主要幹線道路が整備されています。
支援体制は、相生市での暮らしを体験できるオーダーメイドツアーをはじめ、暮らしを体験できるお試し住宅、オンライン移住相談などを受け付けています。
また、住まいの取得には奨励金や住宅ローンの優遇制度、空き家バンクの運営などがあります。子育て面も手厚いサポートがあるので、市のサイトもチェックしてみて下さい。
7位 香美町(兵庫県)

兵庫県香美町は、約1.6万人が暮らす風光明媚なまち。町全域が山陰海岸ジオパークに属し、北側は日本海に面し、南側はスキー場を有する山岳や美しい里山が広がる自然豊かな地域です。
広大な日本海から美しい里山まで、豊かな自然の恵みを身近に感じられるまちでは、カニをはじめ、新鮮な魚介類を提供する飲食店が多数あります。また海水浴場もあり、夏と冬は多くの観光客でにぎわいを見せる、自然豊かなエリアです。
香美駅は、JR西日本山陰本線が乗り入れる駅で隣県の鳥取市までも通勤圏内です。ベッドタウンとしても便利なまちといえるでしょう。
住まいに関して、空き家バンクの運営、移住相談時の現地への交通費最大3万円の支給、お試し暮らしで最大2.5万円/月の家賃補助(最大12ヶ月)、空き家バンク住宅の購入で最大50万円も支給、空き家リフォーム代に最大100万円の助成金あり。
8位 福知山市(京都府)

京都府福知山市は、約8万人が暮らし出生率は全国有数の高さです。それなりに人口も多く、都市機能や生活利便性は問題なく、ほどよく街で、ほどよく田舎な地域です。移住者も多いため移住後も早くなじめるのではないでしょうか。
福知山市は、関西圏の都市へのアクセスが良く、京都・大阪・神戸の近畿の各都市に約1 時間半で行くことができます。
教育環境は、保育所は28か所あり、2022年時点では待機児童はいません。子育て面は特に手厚いサポートがあり、子育て支援センターやファミリーサポートセンター、就学前検診、放課後児童クラブ、病児保育サービス、子育てコンシェルジュによる伴走支援などもあります。
そのほか、住まいに関して、空き家バンクを利用した場合、改修補助金として最大100万円、 移住促進特別区域に移住した場合は、最大180万円の補助を受けることができます。
お試し移住に関して、三和町に2部屋、大江町に2部屋あり、3か月以内は無料で、最大1年間の入居が可能です。
9位 奈良市(奈良県)

奈良県奈良市は、約36万人が暮らす奈良県の県庁所在地。昔の都(みやこ)として平城京があり、歴史的価値のある建造物が多く残り、古都奈良の文化財は世界文化遺産として有名です。
また、特に県内でも交通利便性が高く、電車で大阪難波へ約35分、京都駅へ約45分と利便性が高いです。駅周辺に住めば車が無くても生活に支障がないでしょう。
お買い物事情は、三条通ショッピングモールをはじめ、奈良駅内にはビエラ奈良などあります。商業施設については、名前を挙げたらキリがないためここでは割愛しますが、日用品などの買い物は問題なくできます。
支援体制について、中学校卒業までのお子さんの医療費の助成のほか、令和4年に総合的な子育て施設「奈良市子どもセンター」がオープン。キッズスペースをはじめ、児童相談所などの機能がある子育て支援の総合施設で、親子で遊びながら、専門のスタッフに育児等の相談ができます。
お試し移住に関して、奈良市が運営するゲストハウスでお試し移住を体験でき、1人あたり2,000円/泊を支給しています。
10位 南丹市(京都府)

京都府南丹市は、京都府のほぼ真ん中にあり、北は福井と滋賀県、南は兵庫県と大阪府、西は綾部市や京丹波町、東は京都市、亀岡市に接し、緑豊かな自然が残る丹波山地が大半を占めていることが特徴。
市内には由良川や桂川が流れ、ゆったりとした自然を感じられる生活環境です。また、京都市内よりJRで直通電車が通っているので、市街地にも気軽にアクセスできる環境です。車でも、国道や京都縦貫自動車道が走っており、県外への遠出もスムーズです。
南丹市の子育て支援は、全国トップレベルとも言われており、出産祝金や、出産手当、入学祝金、医療助成など、経済的な支援が多数整備されていますよ。
そのほか、JR西日本と提携し、テレワークと組み合わせながらお試し移住が可能です。通勤費やレンタカー費用の補助が受けられます。
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地方の移住先を選ぶポイント

まずは仕事があるか
生きていくためにはお金が必要です。もちろん、自分で農業するなど工夫をすれば、都会に比べて固定費はかなり安くなるのでたくさんのお金を稼ぐ必要はありません。
しかし、学費や車の車検、自然災害などにより突発的な出費があります。
その地域でどういった仕事があるのか、その仕事は自分に合っているかという点は、最優先で調べましょう。
都市部の企業に勤めてリモートワークをされている方やフリーランスの方も、確実な安定収入といえるまでは最悪の場合を想定してリスクヘッジをする意味でも、移住先の仕事について調べておくことがベターです。
地域おこし協力隊に着任するというのも1つの手段です。
興味がある方やそもそも地域おこし協力隊について知らない方はこちらをチェック!
地方での仕事探しについてまとめ記事はこちらです!
子育てを安心してできる環境が整っているか

地域の治安や病院の数、共働きの場合は託児所などのチェックは言うまでもありませんが、地域や近隣の方々も積極的に子育てをサポートしてくれる地域の風土や環境があるかは大事です。その点、すでに移住者が多い地域は移住者同士のコミュニティがあるため、子育てに関する悩みや相談をしやすい環境ですよ。
経済的なサポートだけでなく子育てに関する心理的な悩みにも寄り添ってくれる自治体かという視点も忘れないようにしましょう。
また、人気の移住地は「待機児童が0」と謳っていることも多いでしょう。しかし、移住した土地に高校が無かったり、偏差値が低かったりとお子さんの教育環境が想像していたことと違うケースもしばしば。
幼児期以降の高校進学までを想定して移住地を選ぶことも心がけましょう。
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高齢になり運転ができなくなっても大丈夫か

年齢とともに車を運転することができなくなるタイミングが、その土地にずっと定住しているとおとずれるでしょう。
そんな状況になっても、生きていける環境があることはとても大事なことです。
例えば、最低限の移動手段を確保するために下記のようなこともチェックすると良いでしょう。
- 少し歩けば市バスが通るバス停まで行くことができる
- 乗合タクシーがある
そうは言っても、「遠い将来のことは分からない!」そんな声も聞こえてきそうですが、頭の片隅に置いておくことが重要だと感じます。
特に物件を購入する場合は、簡単に物件を引き払うこともできないケースがあります。引っ越しをしても、物件の維持費や固定資産税が余分にかかることもしばしば。
そのため、頭の片隅に置いておくことで、大事な選択を迫られた場合にしっかりご自身で考えることにつながるはずです。
移住の前にまずはお試し滞在から
地元に帰省するIターン移住ならまだしも、U・Jターンでの移住の場合は、ご自身が住んだこと無い、良く知らない地域であることが多いでしょう。
移住は豊かな自然環境といった目に見えるメリットもありますが、実際に住んでみないと分からないことが多いことも事実。暮らすように長期滞在することで、その土地が自分の理想のライフスタイルに合っているかを判断でき、失敗や後悔するリスクを減らすことができます。
「移住したい」「自然豊かな土地で暮らしたい」という気持ちがある方の多くは、具体的にどのように行動へ移せばよいか分からない方も。
こちらの記事では、移住するうえでのステップをまとめています。
ちなみに、各エリアごとのランキング記事はこちら!住みたいエリアに合わせてご参考ください